【注目銘柄】フジマックは業績上方修正・増配を見直し割安リオープン関連株買いが再燃

■業績上方修正と増配で年初来高値窺う

 フジマック<5965>(東証スタンダード)は、前日21日に4円高の721円と3営業日ぶりに反発して引け、8月10日につけた年初来高値749円を窺った。今年8月10日に発表した今2013年12月期業績の上方修正と期末配当の増配を見直し、リオープン(経済活動再開)関連の割安株買いが再燃した。今回の業績上方修正により業務用厨房機器株のなかで最割安となる比較感も、買い手掛かりとなっている。

■インバウンド需要もオンして売り上げを伸ばし為替差益計上も寄与

 同社の今12月期業績は、今期第2四半期(2023年1月~6月期、2Q)累計決算の開示とともに上方修正され、売り上げを期初予想より17億円、営業利益を3億5000万円、経常利益を6億円、純利益を3億3000万円それぞれ引き上げ、売り上げ357億円(前期比10.3%増)、営業利益16億5000万円(同46.7%増)、経常利益19億4000万円(同23.1%増)、純利益12億6000万円(同26.9%増)と見込んだ。売り上げと営業利益は、前期比続伸幅を伸ばし、経常利益と純利益は期初の減益転換予想が2ケタ増益となる。昨年12月に米国現地法人の営業を開始するなど海外販路を拡大させ、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが「5類」に引き下げられたリオープン需要やインバウンド需要の増加により売り上げが増加し、エネルギー価格や原材料価格の上昇はコストダウンや昨年4月、6月に続く今年4月の一部製品の値上げでカバーし、2Q累計決算では1億5000万円の為替差益を計上したことなどが寄与する。

 配当は、業績の上方修正とともに期初予想の22円(前期実績22円)から24円に増配を予定している。なお株主優待制度は、株主還元策を配当に一本化するため、今12月期末割り当てで実施するのを最終として廃止する。

■PER7倍、PBR0.4倍、配当利回り3.3%と業務用厨房機器株で最割安

 株価は、前期の配当権利落ち後の年初来安値653円から今期第1四半期のV字回復業績を手掛かりに700円台に乗せ、外食産業の月次売り上げの急回復などのリオープン需要を背景に年初来高値749円まで右肩上がりの上昇を続けてきた。今期業績の上方修正と増配では、材料出尽くし感と優待制度廃止が響いて700円台を試す下値調整となった。PERは7.4倍、PBRは0.46倍、配当利回りは3.32%と業務用厨房機器株で最割安となっており、年初来高値奪回から次の上値目標として2021年6月高値830円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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