日本郵船は液化二酸化炭素(CO2)の海上輸送に参入、ENEOS・Jパワー・JXと共同で調査

■液化CO2海上輸送の経済性や技術を検討

 日本郵船<9101>(東証プライム)は8月25日、ENEOSホールディングス<5020>(東証プライム)のENEOS・J-POWER(Jパワー・電源開発)<9513>(東証プライム)・JX石油開発(JX)の3社(コンソーシアム)から、令和5年度「先進的CCS事業の実施に係る調査」の一部にあたる、液化二酸化炭素(CO2)の海上輸送に関する調査を受託したと発表。

 CCSは温暖化の原因となるCO2を回収して地下に貯留する技術である。同社はコンソーシアムの下、西日本地域でENEOSの製油所とJパワーの火力発電所から排出されるCO2を地下へ圧入する地点まで船舶で輸送する経済性や技術の実現性などの検討を行う。

 コンソーシアムの調査は今年6月、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)から令和5年度「先進的CCS事業の実施に係る調査」の候補案件に選定されており、8月24日に正式に採択された。エネルギーの安定供給を果たしつつ、わが国の温室効果ガス排出削減目標の達成への貢献を目指し、CO2の分離・回収から輸送、貯留までの大規模なバリューチェーンを2030年度までに実装開始することを目指している。

【調査におけるCCS事業計画概要】

・排出源:西日本地域のENEOS製油所、Jパワー火力発電所
・輸送方式:船舶及びパイプライン
・貯留候補地:貯留候補地
・貯留量:300万トン/年

 日本郵船は、22年にノルウェーのKnutsen Group(クヌッツェン・グループ)と液化CO2の海上輸送・貯留事業に関する新規事業開拓およびマーケティングを行う合弁会社(Knutsen NYK Carbon Carriers AS(クヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ)を設立し、同社を通じて最適な輸送方式を検討している。その知見を活かしてコンソーシアムの下で国内での液化CO2輸送を検討し、将来のCCUSバリューチェーンへの参画とカーボンニュートラル社会実現への貢献を目指していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIとベイジアンネットワーク解析で165項目を抽出、複雑な因果関係を構造化  大正製薬は11月2…
  2. ■Blackwell GPU2140基で研究競争力を拡大  NVIDIA(NVDA:NASDAQ)…
  3. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る