凸版印刷とNHKエデュケーショナルは教育用メタバース空間の開発に着手、思考力・判断力・表現力を育成

■教育現場での利用を推進

 凸版印刷<7911>(東証プライム)とNHKエデュケーショナルは29日、共同して教育用メタバース空間の開発に着手したと発表。凸版印刷が持つメタバース空間の開発環境と、NHKエデュケーショナルの教育コンテンツの制作ノウハウを活用する。

 開発したメタバース空間は、おもに教育現場での利用を目的として、教室空間や様々な活動のためのコミュニティ空間、教育コンテンツ等の提供を予定している。

■協業の背景

 近年、メタバースへの注目度が高まっており、2021年には4兆2640億円であったメタバースの世界市場は、2030年には78兆8705億円にまで拡大すると言われている。(出典:「令和4年版情報通信白書」(総務省))

 一方、文部科学省によると教育現場においては21世紀を生き抜くための力を育成するため、これからの学校は、基礎的・基本的な知識・技能の習得に加え、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力などの育成や学習意欲の向上、多様な人間関係を結んでいく力や習慣の育成等を重視する必要があるとされている。また、メタバース上でのコミュニケーションはアバターによる匿名性や雑談のしやすさといった特長があり、これらを教育の現場で活用する可能性についても検討が始まっている。

■各社の役割について

 凸版印刷とNHKエデュケーショナルでは、2023年1月より教育用メタバースの開発に向けた検討を開始し、凸版印刷のメタバースプラットフォーム「メタパ®」の中に空間を構築。これまで実施した実証を踏まえ、本格的な開発を開始した。

・凸版印刷=メタバースプラットフォーム「メタパ®」の提供およびメタバース空間の構築
・NHKエデュケーショナル=教育コンテンツおよびノウハウの提供

■メタバース空間を活用した実証実験の事例について

・「旭川情報ビジネス専門学校での検証」

 2023年6月27日に旭川情報ビジネス専門学校(住所:北海道旭川市)の協力のもと、今回の空間を活用した授業を実施。対話型授業でのメタバース空間の利用について、先生と生徒たち、生徒同士のグループワークにおけるコミュニケーションの向上や、授業に必要な資料や映像の共有などの技術的な検証を行った。今後、様々な授業形式や学校運営面でのテスト利用・検証を予定している。

・「神奈川県「ひきこもり×メタバース」社会参加支援事業への空間提供」

 神奈川県の令和5年度「ひきこもり×メタバース」社会参加支援事業のコンテンツの一部として、今回のメタバース空間が採用された。神奈川県では外出せずに気軽に参加できるメタバースを活用し、ひきこもり当事者等へ、他者との交流や就労へのきっかけを創出することを目的としている。2023年9月9日には、「神奈川県“つながり発見”パーク」のプレオープンイベントの開催を予定している。

 同事業では、メタバースの特長であるアバターを介した緊張感の少ないコミュニケーション、自室にいながらイベント会場に訪れたかのような体験の効果を活かし、外出が困難なひきこもり当事者へ自宅からでも気軽に参加できる、他者との交流の場を提供。今後、ひきこもり当事者の社会参加のきっかけとしてのメタバースの活用性について検証していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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