朝日ラバー、丸紅情報システムズが販売するEnOceanデバイスに「やわらか保護カバー」採用

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は11日、丸紅情報システムズ株式会社(所在地:東京都新宿区、代表:上田 史夫:MSYS)が代理店販売を行うEnOceanデバイスに、同社「やわらか保護カバー」が採用されたと発表。防塵防水対応IoTデバイスとして、MSYS・朝日ラバーで販売を開始する。

 省エネルギーを実現するエネルギーマネジメント分野で、IoTセンサーデバイスは著しい成長を遂げた。一方、農畜産業や農業生産物の加工・流通・販売の分野では雨滴や散水などの環境条件に対応するため、防水防塵性能がエネルギーマネジメント導入の課題である。既存の防水防塵型IoTセンサーデバイスは、デバイス数に比例してバッテリー交換などのメンテナンス工数が発生するため、エネルギーハーベスト対応の防水防塵型IoTセンサーデバイスが求められている。

■防塵防水対応IoTデバイス

 MSYSのEnOceanデバイス「SPC431J」「SPC550J」は、独EnOcean社が提供する低消費電力無線通信モジュール「STM431J」や「STM550J」に、朝日ラバーによるシリコーンゴムの「やわらか保護カバー」で本体を保護し防塵防水機能を追加した製品である。高透明グレードのシリコーンゴムを使用した「やわらか保護カバー」は太陽光を94%透過するため、モジュールに搭載した太陽光発電パーツの発電効率を大きく下げることなく、電源レスで長期間利用できるIoTシステムの構築に貢献する。

 EnOceanデバイス本体内部にはコイン電池を搭載しているため、天候不良が続くなど太陽光発電が十分に電力を確保できない場合にも対応する。見通し距離で100メートルの通信を実現し、LPWAセンサーデバイスとして農畜産分野での育成管理や食品流通における保存温度管理への活用を実現できる規格である。「やわらか保護カバー」は、こうしたEnOceanセンサの機能をそのままに、防塵や防水機能を求められる屋外での使用を可能にした。

 MSYSと朝日ラバーは、SPC431J/SPC550J各1個とUSB型EnOcean通信受信端末をセットにした体験キットを49,800円(税別)で発売し、2023年11月より出荷を開始する。また、SPC431J/SPC550Jの量産出荷は2024年3月を予定している。

■EnOceanデバイスとは

 EnOceanとは、ドイツのEnOcean社が開発したバッテリー不要のエネルギーハーベスティング無線通信規格でISO/IEC 14543-3-10 国際標準規格の通信方式として採用されている。エネルギーハーベスティングは、バッテリーなど他の電源を用いず、スイッチの開閉、ソーラーや温度差など周囲の自然環境を利用して自己発電した非常に小さな消費電力でセンサのデータを無線通信することができる。温度センサや照度センサとしてビルオートメーションやスマートホームのセンサで使用されている。

■「やわらか保護カバー」とは

 “やわらか保護カバー”は、さまざまな通信帯のデバイス等をシリコーンゴムで覆い中身を保護する筐体の役割を持つ朝日ラバー独自の製品である。分子接着接合技術(※)を用いて筐体となるゴムのパーツ同士を接着させているため、接着剤による接着方法に比べ高い防水性や防塵性があり、水や土・泥などがかかる環境でも安心して使用することが可能である。またシリコーンゴム製のため落下や振動といった衝撃に強いことに加え、耐候性にも優れており紫外線の強い屋外でも長期間の使用が可能である。

※分子接着接合技術とは、接着剤を使用せず接着させる物質の表面を加工して化学反応(共有結合)により貼り合わせる独自の接着方法で、接着剤を用いた貼り合わせに比べ経年による接着力の劣化がない。

■展示会への出展予定

MSYSと朝日ラバーはSPC431J/SPC550Jを農業WEEKとCEATEC 2023に出展。
 ●2023年10月11日~13日 第13回農業WEEK 幕張メッセ
  朝日ラバー出展ブース(小間番号:5-12)にて製品展示
 ●2023年10月17日~20日 CEATEC2023 幕張メッセ
  MSYS出展ブース(小間番号:A078)にて製品展示
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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