【今日の言葉】新日鐵住金の値ガサ株へ一大変身の日

『新日鐵住金の値ガサ株へ一大変身の日』=新日鐵住金(証券コード5401)が、今年10月1日付で10株を1株へ株式併合を行い、同時に株式売買単位も1000株から100株となる。何が一番大きく変わるか。現在、約950億株の発行済株式数が10分の1の約9億5000万株へものすごくスリムとなることだ。株主にとっては所有株数が10分の1に減ることになり表面上は大変のように思われるが、発行株数が少なくなる分、1株利益は10倍、配当も10倍になり株価も今の値段より10倍となるから財産価値としては今と変わらない。

戦後、「鉄は国家なり」で資本金をどんどん増やし発行株数も950億株という超肥満体のメタボ状態といえるまでになっている。高度成長経済から成熟経済に移行、また、「セルロースナノファイバー」のような鉄より軽く鉄の5倍強度という新素材が実用化接近を迎えるなど鉄の需要はこれまでのような期待はもてなくなっている。会社の印象を肥満からスリムに変えるにも発行株式数を減らすことには大きい意味があるといえる。

これからの株価はどう動くか。「これまでの新日鐵住金は相撲取りが重い体を揺さぶって走っていたようなもの。これからはスリムとなるので今までよりは走る足取りは軽くなることは間違いない」(市場関係者)。

新日鐵住金の株価はバブル経済当時の1989年に最高値984円、その後、中国ブームの2007年に964円の高値がある。しかし、過去一度も4ケタ相場の実績はなく、これまでの株価は概ね平均250円ていどであった。

今後は、直近の株価245.4円は10月1日には2450円となる計算だ。しかも、これまでは全体相場が大きく動いても、せいぜい同社株は1~2円動くのが精一杯だったが、これからは株数が少なくなり株価が2000円以上ということから1日当りの動きが500円前後ということも起きるようになる。

これまでの、「1カイ・2ヤリ」の存在から、「値幅狙いのできる銘柄」に一大変身が予想される。1950年の上場から65年、新日鐵住金の歴史的変身の日がまもなくやってくる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  2. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  3. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  4. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  5. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  6. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る