小野薬品が出直る、米バイオ医薬品企業の買収に期待強まる

■開発パイプラインの拡充とグローバル展開の加速を図る

 小野薬品工業<4528>(東証プライム)は5月1日、反発相場となり、午前9時50分にかけて2308.5円(32.5円高)まで上げ、ジリ安基調の中で出直っている。30日に、米国のバイオ医薬品企業Deciphera Pharmaceuticals,Inc.(米国マサチューセッツ州、「Deciphera社」)の買収を発表し、見直し買いの要因になっている。がん領域における優れた研究開発能力と欧米でのコマーシャルケイパビリティを有するDeciphera社をパートナー企業として迎え入れ、当社グループのパイプラインの拡充及びグローバル展開を加速させていくとした。

 発表によると、Deciphera社は、がんを対象とした革新的な医薬品の研究・開発・販売に注力しており、自社で創製した経口キナーゼ阻害剤からなる豊富なパイプラインを有している。KIT阻害剤である『QINLOCK(Ripretinib)』は消化管間質腫瘍(GIST)の4次治療の薬剤として米国、欧州及び中国を含む40か国以上で販売されている。加えて、CSF-1R阻害剤である『Vimseltinib』は腱滑膜巨細胞種(TGCT)を対象とした第Ⅲ相臨床試験(MOTION study)において、主要評価項目及びその他副次的評価項目を統計学的有意に達成しており、米国において2024年第2四半期の申請を、欧州では24年第3四半期での申請を予定している。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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