大和証券がAIを活用した売買審査を開始、相場操縦等の不公正取引対策を強化

■AIによる高精度な審査で不正取引を逃さない

 大和証券グループ本社<8601>(東証プライム)の大和証券は5月24日、相場操縦等の不公正取引を監視するコンプライアンス業務において、AIを活用した審査を開始したと発表。

 近年、投資家層の拡大やHFT(高速、高頻度で自動売買を繰り返す取引)の拡大などにより、証券市場は複雑化・高度化している。こうした状況下、証券会社には、自社で起こりうる不公正取引のリスク状況に応じた売買審査が求められている。

 大和証券は、この課題解決に向けて、NEC<6701>(東証プライム)の「AI 不正・リスク検知サービス for 証券」と、大和総研が開発したAI不公正取引検知モデルを導入した。同サービスは、全ての取引データを対象に不公正取引の可能性を高精度にスコアリングし、その判定理由も出力する、説明可能AIである「異種混合学習技術」を採用している。これにより、審査担当者はより複雑かつ高度な不正手口の調査・分析に取り組むことが可能となる。

 大和総研のモデルは、機械学習モデルと複数の深層学習モデルを組み合わせた構成を採用しており、大和証券の審査実例データをもとに、その審査ノウハウを反映させた独自のデータオーグメンテーション(データ拡張)技術を適用している。これらのAIを活用した審査により、大和証券は、不公正取引の検知精度向上と審査業務の効率化を図ることが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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