【編集長の視点】ホットランドは東証1部変更人気再燃を新業態店開店がサポートして反発

編集長の視点

ホットランド<3196>(東1)は、10円高の1640円と3日間の変わらずを含めて7営業日ぶりに反発して始まり、今年10月8日につけた株式分割の権利落ち後高値1748円を射程圏に捉えている。

同社株は、今年9月30日に東証マザーズ市場から東証第1部に市場変更されたばかりで、引き続き市場変更に伴う東証株価指数(TOPIX)への算入接近でTOPIX連動型のファンドの買い需要が発生するとの好需給思惑から買い再燃となっている。また前週16日に米国ハワイ州で、世界初業態の外食店「SAMURAI GRILL(サムライ グリル)」を新規出店したことも、同社が誇る「和ブランド」の海外展開に拍車が掛かるとしてサポート材料視されている。

■米国ハワイ州に「世紀のイノベーション グリル」を世界初出店

同社は、今年9月に東証1部への市場変更と株式分割、株式売出し、株主優待制度の実質的拡充などの盛り沢山の材料を発表した。株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げ投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大と同社株式の流動性の向上を目的に9月30日を基準日に1株を2株に分割した。株式売出し(売出し価格3283円)も、同社株式の流動性の向上と株式分布状況の改善を目的にしており、いずれも東証1部への市場変更に備えたものである。これを端的に表したのが株主優待制度の拡充で、1投資単位100株以上の株主も、同社店舗での優待券を年間2000円分贈呈することに変更、株主価値を向上させた。

同社は、人気たこ焼き店「築地銀だこ」を主力業態店に薄皮たい焼店「銀のあん」、焼き鳥店「やきとりのほっと屋」、てんぷら店「日本橋からり」などと多業態店化し、特許取得の専用たい焼き機を独自開発するなど「和のファーストフードチェーン」を展開しているが、ユネスコの無形文化遺産に登録された「和食」を武器に香港、台湾、タイ、シンガポールへ海外出店するとともに、西アフリカのモーリタニアに原料のたこの調達・加工をする合弁会社を設立するなど海外戦略も積極化している。ハワイにオープンした「サムライ グリル」は、牛100%の肉を日本刀でそぎ落とし野菜、麺、ライスなどと炒めて提供する「世紀のイノベーション グリル」を実現するもので、米国本土への本格進出の橋頭堡となる。

業績も順調に推移しており、今12月期純利益は、10億円(同6.1%増)と前期に続く過去最高更新を予想している。11月10日には今12月期第3四半期決算の発表を予定しており、どのような業績進捗率を示すか注目される。

■権利落ち高値抜けから今年7月高値の権利落ち理論値奪回に弾み

株価は、インバウンド(外国人観光客)関連人気とモーリタニアや米国ハワイ州での合弁会社設立が相乗して7月に4325円高値をつけ、3280円で株式分割の権利を落とした。権利落ち後は、落ち後安値1520円から1748円まで底上げ、株式売出し価格の権利落ち妥当値1641円を下値抵抗線に上値を窺う展開が続いている。落ち後高値抜けから8月高値の権利落ち理論値2162円に向け上値を伸ばそう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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