【マーケットセンサー】個人投資家の聖地、名古屋証券取引所が再評価

■安全志向高まる中、堅実経営の名証銘柄が再注目

 現在の不安定な市場環境下で、投資家はより安全な投資先を模索している。その結果、名古屋の銘柄が新たな避難先として注目を集め始めた。東海地方に本社を置く企業は、堅実経営で知られ、「石橋を叩いても渡らない」ような慎重な運営を続けている。例えば、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は豊富な現金ポジションを背景に、全工場を停止しても数十年持つとまでいわれたほどだ。こうした背景から、名古屋銘柄は安定志向の投資家にとって魅力的な選択肢といえる。

■名証と東証の違いが生む新たな投資先

 また、名古屋証券取引所(名証)と東京証券取引所(東証)のマーケット特性の違いも、名証への関心を高める要因となっている。名証は個人投資家が主体であり、国内投資家比率が97%にのぼる一方で、東証は海外投資家の取引が半数以上を占める。東証の高いボラティリティに対し、名証は比較的安定した取引環境を提供しており、東証の影響を受けながらも、個人投資家にとっては安心感がある市場といえる。

 さらに、最近では東証上場企業が名証に重複上場するケースが増えている。これは東証の厳格化された上場基準が一因であり、特に成長性を求められる東証に対応しづらい企業が名証を選択しているとされる。こうした動きは、個人投資家に支持されやすい名証重複上場銘柄の魅力をさらに高めるものだ。特に、バリュー株や高配当銘柄が多く揃う名証は、不況耐性を求める投資家にとって、まさにシェルターの役割を果たす存在となりつつある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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