
■「フルスペック型」総裁選、5人の候補に市場の視線
自民党総裁選は、国会議員票と全国の党員・党友票が同数配分される「フルスペック型」で争われる。合計590票の行方は株式市場の大きな注目点であり、新政権への政策期待から株価は堅調に推移している。主要候補者は現在(9月13日現在)のところ、茂木敏充前幹事長(69)、高市早苗前経済安全保障相(64)、林芳正官房長官(64)、小林鷹之元経済安全保障相(50)、小泉進次郎農林水産相(44)の5氏であり、それぞれの政策方針が産業や企業に影響を及ぼし、関連銘柄の株価を動かす要因となっている。
■候補者の政策が動かす市場テーマ
各候補者の政策は市場への影響が大きく、それぞれ異なる分野に焦点を当てている。茂木氏はライドシェアやスタートアップ支援を重視し、高市氏は安全保障や先端技術推進を打ち出し、防衛やサイバーセキュリティ関連銘柄に関心が高まっている。林氏は外交・防衛・エネルギー政策を軸とし、防衛関連や資源・エネルギー関連が注目される。小林氏は経済安全保障を軸にドローンや半導体、サイバー関連銘柄への波及が想定され、小泉氏は環境・農業・地方創生を掲げ、地産地消や環境関連企業に影響を与えるとみられている。
政策テーマごとに整理すると、茂木氏は「半導体・デジタル化・経済安全保障」、高市氏は「経済安全保障・先端技術・防衛・エネルギー」、林氏は「防衛・エネルギー供給・経済安全保障」、小林氏は「経済安全保障・サイバー・供給網強靭化」、小泉氏は「環境・農業・地方創生・規制改革」が柱となる。これらが株価を左右する主要テーマとして意識されている。
■決選投票の可能性と市場の思惑
総裁選の動向は関連銘柄に対する投資家の期待を高めており、新総裁決定の前後で物色が強まる公算が大きい。得票数が過半数に届かなければ決選投票となり、議員票の比重が高まるため、その行方も市場の注目を集めている。候補者の政策が具体化するにつれ、短期から中長期にわたる株価変動が予想され、投資家は総裁選の結果と新政権の政策運営を注視している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)