トランプ次期大統領就任で日本企業に不安の波、業績影響に「マイナス」28.1%

■前回調査から「マイナス」影響11.8ポイント上昇、企業心理に暗雲

 2024年11月の米国大統領選でドナルド・トランプ氏が再び当選し、来年1月に大統領就任が決定した。東京商工リサーチの調査によると、トランプ氏の就任が業績に「マイナス」と回答した日本企業は28.1%で、「プラス」の8.6%を19.5ポイント上回った。「分からない」という回答は37.5%で最も多いものの、8月調査時点から減少し、影響を認識し始めた企業が増加している。

■産業別に見える深刻な影響と業績格差

 産業別では10産業すべてで「マイナス」が「プラス」を上回った。特に農・林・漁・鉱業の「マイナス」回答率は43.5%、製造業は34.5%に達し、影響が際立っている。業種別では非鉄金属製造業やゴム製品製造業など製造業が多く、「マイナス」回答が40%を超えた業種が目立った。一方、金融・保険業や運輸業では「プラス」の回答が1割を超え、業績への影響は産業間で差が広がっている。

■政策注目点は「為替」「関税政策」に集中

 トランプ次期政権の政策において、日本企業が最も注目する点は「通貨・為替政策」(52.4%)で、次いで「関税政策」(51.5%)が挙げられた。8月・10月調査では地政学リスクへの関心が高かったが、大統領選後は現実的な経済政策への関心が高まっている。特に関税政策では、中国への追加関税や一律関税導入が注目されており、製造業には軌道修正が求められる可能性が高い。トランプ政権の政策は、日本企業の経営に大きな影響を及ぼすことが予想され、今後の動向が注視される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■新エネルギーマネジメントシステムで約10%の省エネ運行を実現  三菱重工業<7011>(東証プラ…
  2. 生成AI
    ■日本のAI競争力強化と社会実装加速を目指す国家戦略  経済産業省は、生成AIの社会実装を強力に推…
  3. ■円安と生産コスト上昇が直撃、値上げ難で経営圧迫  ステーキ店の経営悪化が鮮明になっている。帝国デ…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  2. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  3. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  4. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…
  5. ■トランプ相場圏外から「コメ」が主役へ!備蓄米争奪戦が炙り出す新テーマ株  今週の当コラムは、「ト…
  6. ■「備蓄米」争奪戦の裏で石破内閣の命運を握るコメ価格高騰  まさに「令和の米騒動」である。江戸時代…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る