会社四季報新春号、予想営業利益11.6%増:半導体好調、自動車減速

■全産業の営業利益11.6%増:半導体関連が成長を後押し

 東洋経済新報社が発表した『会社四季報 2025年新春号』の予想集計によると、上場企業全体の予想営業利益は前期比11.6%の増加が見込まれている。業績の明暗が分かれる中、特に注目されるのは半導体関連の回復である。生成AIを含む世界的な投資活況が追い風となり、東京エレクトロンやアドバンテストなどの企業が大幅な増益予想を示している。電気機器産業全体では14.3%の営業増益が予測されており、半導体が成長を牽引している。

■減速する自動車産業

 一方で、自動車産業は厳しい状況に直面している。トヨタ自動車や日産自動車など主要メーカーが軒並み減益予想となり、輸送用機器産業全体で前号比9.3%、前期比5.8%の営業減益が見込まれている。中国の景気低迷や欧州製造業の停滞も影響しており、自動車関連企業の業績低迷が裾野産業にも影響を及ぼしている。今後の回復が課題となる。

■業績予想の多様化と不安定な環境

 今回の四季報では、「上振れ」や「一転減益」といった明暗を示す見出しが目立った。特に30%以上上振れた企業が180社、同じく30%以上下振れた企業が390社と増加しており、不安定な事業環境が浮き彫りになっている。半導体産業の好調が一部の産業をけん引する一方で、自動車産業の減速や欧州、中国の経済停滞が全体に影響を及ぼしており、企業業績の多様化が顕著となっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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