ピックルスホールディングスは25年2月期3Q累計減益だが進捗率順調、配当予想を上方修正

(決算情報)
 ピックルスホールディングス<2935>(東証プライム)は12月27日に25年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。減収減益だった。消費者の節約志向の影響などに加え、天候要因による野菜価格高騰なども影響した。ただし通期小幅増収増益予想を据え置いた。通期予想に対する進捗率が順調であり、通期ベースで収益拡大を期待したい。なお期末配当予想を上方修正した。株価は安値圏でやや軟調だが、配当予想の上方修正や1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■25年2月期3Q累計減益だが通期小幅増益予想据え置き

 25年2月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比4.4%減の317億78百万円、営業利益が10.1%減の13億12百万円、経常利益が11.0%減の13億74百万円、親会社株主帰属四半期純利益が10.8%減の9億21百万円だった。

 減収減益だった。物価上昇に伴う消費者の節約志向の影響やコンビニエンスストア向け売上減少などで減収となり、夏場の高温や夏以降の天候不順といった天候要因で原料の白菜や胡瓜などの野菜価格が高騰したこと、物流費や人件費が上昇したことなども影響した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が108億12百万円で営業利益が5億04百万円、第2四半期は売上高が108億82百万円で営業利益が6億13百万円、第3四半期は売上高が100億84百万円で営業利益が1億95百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年2月期比1.1%増の435億円、営業利益が1.9%増の17億円、経常利益が0.5%増の17億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.1%増の12億円としている。配当予想(当期より中間配当を実施)については12月27日付で期末2円上方修正して、24年2月期比2円増配の26円(第2四半期末12円、期末14円)としている。予想配当性向は26.9%となる。

 個人消費や原材料・エネルギーコストの動向に不透明感が強いものの、売上面は各種キャンペーンなど効果的な販促活動、商品規格や販売価格の見直しによる値上げに加え、新規取引先の開拓、既存取引先の深耕などで増収を目指し、利益面は増収効果や生産コスト改善(製品の集約、不採算アイテムの見直し、省力化・機械化など)効果で増益を目指すとしている。またESGやSDGsへの取り組みも強化し、事業を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するとしている。

 第3四半期累計は減収減益だったが、通期予想に対する進捗率は売上高73%、営業利益77%、経常利益77%、親会社株主帰属当期純利益77%と順調であり、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でやや軟調だが、配当予想の上方修正や1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。12月27日の終値は1033円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS96円49銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の26円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1438円45銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約133億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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