混迷深まるグローバル秩序―EUの政情不安と米国の存在感

■ウクライナ・パレスチナ問題に新たな展開も

 国際政治の力学が大きく変容しつつある。特にEU(欧州連合)における政治的混乱が顕著である。ドイツでは2025年2月に連邦議会議員選挙を控え、フランスでは内閣不信任案が可決されるなど、欧州の政情不安が深刻化している。この状況下で、マルチ(多国間)よりもバイ(二国間)の交渉を重視するトランプ大統領の影響力が一段と強まることが予想される。

 国際秩序の再編も加速している。ウクライナやパレスチナでは不本意な停戦合意への圧力が強まっている。さらに台湾を取り巻く状況も微妙である。中国の習近平主席とトランプ大統領による貿易交渉の進展次第では、台湾が政治的に孤立する可能性も否定できない。このように、「トランプ一強体制」による国際関係の再構築が進む様相を呈している。

 株式市場においては、すでにこうした「トランプリスク」への警戒感が昨年後半から意識されてきた。しかし、ダウ工業株30種平均(NYダウ)を含む主要3株価指数は史上最高値を更新する「トランプトレード」の様相を呈していた。2025年の市場展望として、「トランプリスク」は「トランプ劇場」としてさらなる展開を見せる可能性が高く、その影響は東京市場にも及ぶことが予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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