【止まらぬ人口減少と高齢化】2024年人口動態統計速報:出生数過去最少、死亡数・離婚件数増加

■出生数は4万人超の減少、合計特殊出生率は1.15へ低下

 厚生労働省が発表した2024年(令和6年)の人口動態統計速報によると、出生数、合計特殊出生率ともに過去最低を更新し、日本の少子化に一層の拍車がかかっていることが明らかになった。出生数は68万6061人で前年より4万1227人減少し、出生率(人口千対)は5.7に低下。合計特殊出生率も1.15となり、前年の1.20からさらに低下した。この減少は全ての母の年齢階級で共通しており、第1子出生時の母の平均年齢は31.0歳で横ばいながらも、晩婚化・晩産化の傾向が続いている実態が浮き彫りとなった。都道府県別では東京都が0.96と特に低く、沖縄県(1.54)が最も高い。

■死亡数は約3万人増加、死因の8割近くが高齢者に集中

 死亡数は増加の一途を辿り、超高齢社会の進展を強く示唆する結果となった。令和6年の死亡数は160万5298人で、前年より2万9282人増加。死亡率(人口千対)は13.3に上昇した。全死亡数の約8割を75歳以上の高齢者が占め、高齢化の進展が死亡数増加の主要因となっている。死因順位は悪性新生物<腫瘍>が第1位(全死亡者に占める割合23.9%)、心疾患(高血圧性を除く)が第2位(同14.1%)、老衰が第3位(同12.9%)となり、特に老衰の割合は平成13年以降上昇傾向にある。年齢階級別の死因では、男女ともに若い世代では自殺が、高齢世代では悪性新生物<腫瘍>や老衰が多くを占める。

 出生数と死亡数の差である自然増減数は△91万9237人となり、18年連続で減少している。これにより、人口減少がさらに加速している現状が確認された。死産数は1万5322胎で前年より減少したが、死産率(出産千対)は21.8と上昇している。自然死産率、人工死産率ともに前年より上昇している点が特徴だ。

■婚姻件数は増加も、平均初婚年齢は上昇傾向続く

 婚姻・離婚に関しては、婚姻件数が48万5063組と前年より1万322組増加し、2年ぶりに増加に転じた。婚姻率(人口千対)も4.0に上昇している。平均初婚年齢は夫が31.1歳で前年と同年齢、妻が29.8歳で前年より上昇した。また、離婚件数も18万5895組と前年より2081組増加し、2年連続の増加となった。離婚率(人口千対)は1.55に上昇。同居期間別では、1~2年未満と4年以上の各階級で増加している。これらのデータは、日本の社会構造と家族形態の変化を鮮明に映し出している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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