マルハニチロ、新たな養殖魚「スギ」の試験販売を来年5月開始、高水温に強い新魚種

■成長早く、多用途な白身魚「スギ」養殖、量産体制へ

 マルハニチロ<1333>(東証プライム)は3月27日、温暖化が進む日本の養殖業に新たな可能性をもたらす「スギ」の試験販売を、2025年5月から開始すると発表。スギは、高水温に強く、短期間で成長する白身魚であり、同社はクロマグロ、ブリ、カンパチに次ぐ第4の養殖魚の柱として育成を目指す。

 近年、海水温の上昇や餌料原料の高騰など、養殖業を取り巻く環境は厳しさを増している。そのような状況下で、マルハニチロは持続可能なタンパク質の安定供給を目指し、2024年6月からスギの試験養殖を開始した。スギは、20℃以上の水温を好み、夏場の30℃以上の高水温にも適応できる。また、1年で出荷サイズである約4~5kgに成長し、身や血合いの色が変わりにくいという特徴を持つ。

 スギの養殖は、マルハニチロAQUA奄美事業所(鹿児島県大島郡瀬戸内町)で行われ、2025年度は5~7月に出荷を予定している。出荷規格は活魚と加工品の2種類で、マルハニチロの販売ルートや全国の市場を通じて、主に量販店や外食産業向けに販売される。生産量は、2025年度に1万尾、2027年度に10万尾を目指す。

 同社は、スギの養殖において、環境と人権に配慮したASC認証の早期取得や、マルハニチロ養殖技術開発センターを活用した人工種苗生産に取り組むなど、持続可能な養殖業の確立を目指す。同社は、長年培ってきた養殖技術とノウハウを活かし、新たな魚種や短期間で成長する魚種の開発に挑戦することで、国内外の養殖産業の課題解決に貢献するとともに、養殖場のある地域の活性化にも貢献していく考えだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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