NEC、光空間通信で国内最長10km超の通信に成功、次世代高速通信へ前進

■宇宙技術応用し大気揺らぎの課題を克服、高セキュリティな無線通信の実用化に道筋

 NEC<6701>(東証プライム)は4月25日、光空間通信において国内最長となる地上10km超の長距離通信と、東京スカイツリー展望台屋上から約3km離れた地上との高度差通信に成功したと発表。光空間通信は高速・大容量で傍受リスクが低く、干渉や輻輳が起こりにくいという特長がある。今回の成果は通信システム向け捕捉・追尾技術や宇宙空間での長距離光通信技術を応用して実現した。

 NECは2028年に装置の小型化と通信品質向上を図った製品の発売を予定している。また、将来的には量子暗号通信と光空間通信を組み合わせた空間量子鍵配送技術の開発や、地上と衛星間通信への適用も視野に入れている。これにより光ファイバー設置が困難な地域での通信や、災害時の代替通信、安全保障に関わる秘匿性の高い通信などへの活用が期待される。

 実証実験は栃木県那須塩原市での10km以上離れた地点間の長距離試験と、東京スカイツリー展望台屋上(地上350m)と約3km離れた地上間での高度差試験を実施した。双方の試験で双方向の光ビームの自動捕捉・追尾が正しく機能することを確認。今後はお客様の多様なニーズに対応したネットワーク提供に向けて取り組みを進める方針だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■金融・医療・公共分野に特化した高精度処理、低コストで安全運用可能  NTT<9432>(東証プラ…
  2. ■ジャイアンツ球場隣接の221邸、シニアの健康・交流を支える新拠点に  フージャースホールディング…
  3. ■IT・スタートアップ中心に若手CEO台頭、経営のスピード化が進展  帝国データバンクは10月14…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る