大成建設が東洋建設を買収、TOBで完全子会社化へ、建設業界再編

■シナジーは洋上風力・DX、非公開化で経営効率化を推進

 大成建設<1801>(東証プライム)は8月8日、東洋建設<1890>(東証プライム)の普通株式に対する公開買付け(TOB)を開始すると発表した。買収価格は1株あたり1,750円で、買付予定数の下限を3,303万5,700株(所有割合35.02%)に設定。TOB成立後は東洋建設を完全子会社化し、両社の技術・事業基盤を統合することで、洋上風力発電やカーボンニュートラル関連事業などの成長分野での競争力強化を図る。

 東洋建設の筆頭株主であるWKグループ(所有割合28.53%)とは応募契約を、主要株主の前田建設工業(同20.19%)とは不応募契約を締結。TOB成立後、残余株式はスクイーズアウト(少数株主締め出し)手続きにより取得する方針。東洋建設は取締役会でTOBへの賛同を決議し、株主に応募を推奨している。

 両社は国内土木・建築事業や海外展開でシナジーを見込む一方、非公開化に伴うディスシナジー(上場メリットの喪失等)も想定。大成建設は「生産性向上と持続的成長」(相川善郎社長)を目的に、2030年ビジョンの達成を加速させるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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