三菱UFJ・講談社・クレデウス、業界初の映画製作投資スキーム始動、海外売上5.7兆円の産業に金融ノウハウを融合

■全資金拠出型スキームでハリウッドに対抗

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)<8306>(東証プライム)傘下の三菱UFJ銀行・三菱UFJ信託銀行は6月3日、講談社とクレデウスと共同で「Japan Creative Works1号投資事業有限責任組合」を設立したと発表。日本のエンタメ作品の世界展開を支援するため、劇場用実写映画の製作全資金を拠出する業界初の投資スキームを導入。2023年に5兆7,769億円規模まで成長した海外市場で、ハリウッドなどに対抗する高予算作品の持続的製作を可能にする。

 「GK-TKスキーム」を採用し、匿名組合と合同会社を組み合わせた構造で資金運用の透明性を確保。講談社の著作物を原作としたシリーズ映画を対象に、三菱UFJ信託銀行が運用し、三菱UFJ銀行が約66億円を出資。特徴は、成功時にクリエイターへ報酬を還元する仕組みで、従来の資金調達課題を解決する。アドバイザーにゲーム業界のベテラン・渡部辰城氏を迎え、専門知見を活用する。

 MUFGは「金融の枠を超えた価値創造」を掲げ、講談社は「海外作品との競争手段」と位置付ける。クレデウスは『キングダム』など実績を基に「日本のストーリー力の世界的展開」を目指す。日本のエンタメ産業が収益源として持続可能なモデルを構築し、次世代へ継承することが共通の目標だ。約6年10ヶ月のファンド期間で、最初の作品は講談社原作のシリーズ映画となる見込み。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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