
■発生域が北寄りに変化、接近までの時間短縮に注意
2025年の台風シーズンについて、ウェザーニューズ<4825>(東証プライム)は独自のAI統計予想などを基にした「台風傾向」を発表した。今年の台風発生数は23個程度と、平年の25.1個よりやや少ない見通しである。このうち日本に接近する台風は平年並の11個程度になる予想である。注目されるのは、台風が発生する海域の変化であり、今年は日本の南や南東海上、西寄りの海域で発生しやすい傾向にある。そのため、台風が発生してから日本に接近するまでの時間が短くなる可能性がある。台風になる前段階である熱帯低気圧の発生や発達にも注意が必要だ。
シーズン前半の6~8月は、上層の寒気を伴う低気圧が南西進しやすく、日本の南海域で大気が不安定となる見込みである。一方、フィリピン東海上では対流活動が不活発な傾向があり、台風は発生しにくいが、南シナ海やフィリピン近海では平年並みに発生しやすいと見込まれている。シーズン後半の9~11月も、台風発生の中心は日本近海に寄り、負のインド洋ダイポールモード現象の影響で、対流活動がさらに西寄りへとシフトする。これにより、発生地点が日本に近くなり、接近までのリードタイムが短縮される可能性が高まる。
ウェザーニューズでは、AI統計予想に加え、過去の類似年(2021年、2017年など)との比較からも今年の傾向を分析。これらの年では台風発生数が平年よりやや少ない傾向が確認されており、今年の23個という予想と整合している。お天気アプリ「ウェザーニュース」では、気象庁の予報より長期の5日先以上の予報や、交通や停電のリスクなど、ユーザー個別の情報も提供されている。シーズン中はこうした情報を活用し、早めの備えと行動が求められる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)