三菱電機と台湾ITRI、CO2回収技術の実証試験を開始、2029年度実用化目指す

■固体吸着方式で高効率CO2回収を目指す実証試験スタート

 三菱電機<6503>(東証プライム)は6月10日、台湾の工業技術研究院(ITRI)と共同で、CO2回収技術の実証試験を開始したと発表。兵庫県尼崎市の先端技術総合研究所にITRI開発のCO2回収装置を設置し、蒸気発生ボイラーの排ガスからCO2を回収する。両社は2024年4月に研究協力協定を結び、気候変動問題解決に向けたCCU技術の開発を進めてきた。

 今回採用した固体吸着方式は、従来の液吸収方式に比べエネルギー効率が高いことが特徴だ。固体吸着材にCO2を吸着させ、加熱して脱離する仕組みで、水溶液の蒸発によるエネルギー損失が発生しない。三菱電機は空調冷熱システムなどで培った制御技術を活用し、さらに効率向上を図る。実証試験は2027年9月まで実施し、2029年度の実用化を目指す。

 三菱電機はこの技術をE&Fソリューションと組み合わせ、工場のCO2削減に役立てる方針だ。ITRIは台湾を代表する応用研究機関で、約6000人の研究者が在籍している。両社はCO2の回収から利用までを一貫して行うCCUシステムの早期社会実装を目指し、研究開発を加速させる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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