キユーピー、アヲハタの完全子会社化へ、株式交換契約を締結、240億円の自己株式取得も決定

■経営資源の統合でグループ最適化、シナジー創出に期待

 キユーピー<2809>(東証プライム)は7月3日、アヲハタ<2830>(東証スタンダード)を完全子会社化する株式交換契約を締結したと発表した。キユーピーは現在、アヲハタ株式の44.62%を保有しており、すでに連結子会社と位置づけられているが、今回の完全子会社化により、経営資源の最適配分と意思決定の迅速化を図り、グループ全体の企業価値向上を目指す。同時に、同社は本株式交換に使用する自己株式の取得も決定しており、発行済株式総数の6.91%にあたる最大960万株・240億円分を市場で買い付ける予定である。

 今回の株式交換は、キユーピーを完全親会社、アヲハタを完全子会社とする方式で行われ、アヲハタ1株に対してキユーピー株式0.91株を割当交付する予定である。キユーピーは自己株式を活用し、新株発行は行わない。アヲハタの普通株式は10月30日に東京証券取引所スタンダード市場で上場廃止となり、11月1日に株式交換の効力が発生する見込み。少数株主の保護のため、アヲハタでは独立した特別委員会を設置し、第三者機関による公正性の検証やフェアネス・オピニオンを取得しており、手続きの透明性と妥当性を確保している。

 この完全子会社化により、両社のブランド資産や販売網、研究開発機能の統合を通じてシナジーを最大化し、コスト削減や新規市場への展開が期待される。また、上場維持に伴う負担を軽減し、より柔軟で戦略的な投資が可能となる。キユーピーグループ全体としての機動的な事業運営体制を強化し、中長期的な企業価値と株主還元の向上に寄与するものとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  2. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…
  3. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  4. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  5. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  6. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る