イトーキグループのダルトン、新型無菌アイソレータ「Sterigion」を発売、独自除染技術で装置を小型化し精密機器の故障リスクも低減

■除染域の明確化と組込型除染システムにより、安定した庫内環境と柔軟な運用を実現

 イトーキ<7972>(東証プライム)のグループ会社であるダルトン(本社:東京都中央区)は、医薬品製造や再生医療などの現場で求められる高精度な無菌環境を、より効率的かつ確実に実現する新型無菌アイソレータ「Sterigion(ステリジョン)」を2025年7月9日(水)に発売すると発表。独自の組込型除染システムと空間構造の革新により、除染時間の短縮、装置の小型化、精密機器の故障リスク低減といった現場課題を一台で解決する。

 「Sterigion」は、除染を表す「Sterilization」と領域を表す「Region」を組み合わせた造語である。以下の3つの特長を備え、医薬品の無菌試験や細胞培養など、極めて高い衛生環境が求められる現場において、従来型の無菌アイソレータが抱えていた「除染効率」「コンタミネーションリスク」「精密機器の結露トラブル」といった課題を総合的に解決する。

■製品の主な特長

1.除染対象域の明確化と装置の小型化

 従来の無菌アイソレータでは、作業域と背面のレタンチャンバーが直接接続され、エア流路全体が除染対象域となっていた。「Sterigion」は、除染対象域とレタンチャンバーをHEPAフィルタで物理的に隔離する構造を採用し、万一の逆流時にもコンタミネーションのリスクを回避できる。また、独自のファン・フィルタシステムにより給排気HEPAフィルタや給気ファンの削減を可能とし、装置のコンパクト化を実現した。

2.故障リスクを低減する結露レスな組込型除染システム

 「Sterigion」は、以下の機能を備えた除染システムを搭載している。独自の粉砕・分級技術により過酸化水素を均一な粒子径の微粒子に調整し、最適な湿度と濃度の構築・維持・安定化を可能とする。さらに、庫内の結露や過度な凝縮を可視化し、噴霧流量および低湿エア流量を制御することで、除染に最適な庫内環境を保持する。熱源を用いずに除染流体を生成し、庫内に投入・拡散することで、秤量器など庫内設置の精密機器の故障リスクを抑える。また、除染時間の短縮(同社比)や過酸化水素の消費量削減(同社比)、庫内の細胞関連資材への負荷軽減にも貢献する。

3.用途や空間に応じた柔軟な対応が可能な高い拡張性

 「Sterigion」のサイドユニット(パスボックスおよび除染ユニット)は、装置左右どちらにも取り付け可能であり、環境に応じた柔軟な対応が可能である。加えて、ニーズに応じてサイドユニットの追加もできるため、用途変更時にメインユニットの再購入を避けられ、コストと運用の両面で利点がある。

■製品概要・主な仕様

・製品名:Sterigion(ステリジョン)
・分類:無菌アイソレータ
・主な用途:無菌試験、細胞操作、秤量、充填、精密機器作業など
・対象分野:製薬、バイオ、再生医療、化粧品、研究施設など
・外形寸法:W2542×D768×H2100mm
・除染性能:6Log reduction value
・発売時期:2025年7月9日(水)
・価格:オープン価格

■「インターフェックスジャパン2025」にて展示予定

 「Sterigion」は、2025年7月9日(水)~11日(金)に東京ビッグサイトで開催される医薬品・化粧品製造関連技術の国際展示会「インターフェックスジャパン2025」において、同社ブース(南ホール4F、S6-6)に展示。

■ダルトンのクリーン機器事業

 医薬品のモダリティが多様化する中、研究開発・生産・品質管理の各プロセスに求められる作業環境も複雑化している。ダルトンのクリーン機器事業は、医薬・医療業界において、封じ込め・無菌・クリーン環境の構築を担い、作業に関わる“人”と“物質”の両方を守る空間構築の専門家である。用途に応じた一品一様の設計により、安全かつ快適な環境を提供している。

■ダルトンの事業概要

 ダルトングループは、「価値創造活動の主人公であるお客様と共に『創造の、共創へ。』」をスローガンに掲げ、80年以上にわたり医薬・化学・生物・食品・精密機械分野の研究・製造施設、教育機関や医療機関に製品とサービスを提供してきた老舗メーカーである。研究施設事業、教育施設事業、粉体機械事業、クリーン機器事業、半導体製造装置事業など、8つの事業を展開し、顧客の技術力向上とビジネス発展を支えている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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