大林組グループと中部電力、北海道・釧路で国産材製材事業を本格化へ、国産材活用で輸入材依存脱却へ

■輸入材依存の現状打破へ、品質・価格で競争優位性を確保

 大林組<1802>(東証プライム)は7月22日、グループ会社であるサイプレス・スナダヤと中部電力<9502>(東証プライム)が共同で設立した「釧路ウッドプロダクツ」による北海道釧路市での製材事業の計画を発表した。2028年4月からの商業生産開始を目指し、国内最大級の製材工場を新設する。原料は主に北海道産トドマツを用い、ラミナやディメンションランバーなどの住宅用木構造材を製造・販売する方針である。

 国内市場では輸入材が大半を占める中、為替リスクや供給不安が課題となっている。これに対し同社は、欧州製の大型機械を導入し、国産材で品質・価格・流通量の競争力を確保することで、国産材の需要拡大を図る。森林資源の循環利用や脱炭素社会への貢献、さらには地域経済の活性化も視野に入れて事業を推進する。

 当初計画にあった集成材工場は採算性を見直し見送られたが、トドマツラミナや2×4材の量産体制を整えた。新会社は2024年11月設立、資本金1億円、出資比率はサイプレス・スナダヤ80%、中部電力20%となっており、操業開始3年目には約80億円の売上を見込む。従業員数は40~50人規模となる予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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