森永乳業、腸内炎症抑制に有効なビフィズス菌M-63、新生児腸内環境への有益性確認

■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証

 森永乳業<2264>(東証プライム)は7月22日、ビフィズス菌M-63が新生児の腸内でビフィズス菌優勢な菌叢の形成を促し、炎症を抑制する効果を確認したと発表した。研究は長野県の松本市立病院と共同で実施され、科学雑誌「Pediatric Research」に7月18日付で掲載された。ビフィズス菌M-63は母乳との親和性が高く、本研究では生後間もない正期産児111名を対象に、プラセボ対照の臨床試験を行い、その有効性を検証した。

 試験では、ビフィズス菌M-63を1日10億個摂取した群において、生後1か月時点で炎症誘発性サイトカイン(IFN-γ、IL-1β)の減少が観察された。さらに、腸内細菌叢の分類では、ビフィズス菌優勢なタイプ(タイプ1~3)の分布が多く、この菌叢では抗炎症作用を有するインドール-3-乳酸(ILA)の産生量が増加していた。これにより、ビフィズス菌M-63が腸内環境の健全化と炎症抑制に寄与する可能性が示された。

 同菌株はすでに米国ではGRAS認定、中国では新食品原料として登録されており、安全性が国際的にも認められている。今後は本成果を活用し、国内外での製品展開やパートナー企業との連携強化を図る。森永乳業は、引き続き健康に資する機能性素材の開発と情報発信に注力する方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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