伊藤園・JAおおいがわ・ホテイフーズが茶殻肥料を実用化、静岡で資源循環型農業を開始

■窒素成分を活用し化学肥料を代替、水分課題を克服してペレット化

 伊藤園<2593>(東証プライム)は7月30日、大井川農業協同組合(JAおおいがわ)およびホテイフーズコーポレーションと共同で、副産物「茶殻」を肥料化し静岡県内の契約茶園で活用する地域資源循環型農業を8月上旬から開始すると発表した。茶の生育に不可欠な窒素の代替源として茶殻の成分を活用し、水分含量が高く肥料化が困難だった課題を連携で克服。静岡県内で排出された茶殻を同県内でペレット状肥料に加工し、まず契約茶園(27ha)で運用を開始し、本格展開へつなげる方針だ。地域資源循環の加速と環境配慮型の持続可能な農業推進を狙う。

 気候変動や生物多様性、SDGsへの意識の高まりを受け、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」はGHG排出や化学肥料使用量の削減を掲げる。これを踏まえ、3者は静岡県内での循環モデルを構築。伊藤園が契約茶園で栽培・一次加工した荒茶を調達し飲料用原料化、ホテイフーズが「お~いお茶」などの生産で発生する茶殻を販売、JAおおいがわが茶殻(約200トン)を活用してペレット状肥料を委託製造・製品化し販売、茶農家が契約茶園に散布して栽培に生かす流れだ。各社の環境・社会課題への考え方が合致し、静岡発の持続可能なビジネスモデルとして共同実用化に至った。

 同取組みで製品化した茶殻肥料「サス茶(ティー)ナブル」は、静岡県内で発生した茶殻を主原料に、大豆発酵液由来の核酸を加えて肥料化。撒きやすいペレット形状で、基肥としてはもちろん土づくりや健全生育にも寄与が期待される。仕様は容量15kg、価格はオープン、発売日は8月上旬、販売はJAおおいがわ(各営農経済センター)。化学肥料の代替としての活用により、静岡県における地域資源循環型農業の推進と環境負荷低減への貢献を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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