旭化成、フィンランドの脱炭素に貢献するグリーン水素製造システムを初受注

■「Aqualyzer‐C3」をユバスキュラ市に導入、地産地消モデルを構築

 旭化成<3407>(東証プライム)は7月30日、フィンランド中部の脱炭素プロジェクト向けに、1MW級のコンテナ型アルカリ水電解システム「Aqualyzer-C3」を受注したと発表した。受注先はCefmof(中央拠点:フィンランド・ユバスキュラ市)で、ユバスキュラ市、TGR-WRT、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金が設立した現地社団法人にあたる。本プロジェクトは水素の地産地消モデルの構築を狙い、同国初の商用水素ステーションの開設に合わせ、隣接地に同システムを設置する計画とした。

 「Aqualyzer-C3」は新規導入に適したエントリーモデルで、小規模な分散型設備にも向く。寒冷地での運用課題の検証に資する点が特徴で、凍結リスクなどに配慮しつつ水素供給インフラや燃料電池車の運用実証を進める。旭化成は水素関連事業を戦略的育成領域に位置付け、イオン交換膜法食塩電解で培った無形資産を活用して協業を拡大してきた。商用化後では初の受注案件で、同システムは1時間あたり約3台分のFCVを充填可能なグリーン水素を製造する。

 設置は2025年末、2026年上期の本格稼働を目標とする。旭化成はCefmofや複数パートナーと製造・設置工事を進め、導入後のメンテナンスやオペレーションも継続支援する方針だ。旭化成の竹田健二執行役員は、事業化フェーズへの本格移行と寒冷地での信頼性実証を強調。Cefmofの新井春香事務局長は、地域の水素エコシステム形成を担い、実用的な水素充填インフラ実現を後押しすると述べた。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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