
■中央径間3,300メートルの吊橋で国際物流に新動脈
IHI<7013>(東証プライム)は8月7日、イタリア政府出資によるメッシーナ海峡大橋建設事業に参画すると発表した。世界最長の吊橋となる本橋は、イタリア本土とシチリア島を結ぶ中央径間3,300メートルの道路・鉄道併用橋であり、2025年内の着工、約7年の工期を予定している。同社は、特定目的会社ユーロリンクの構成企業として、インフラ建設に実績を持つ欧州各国のゼネコンとともに事業を担う。
同橋は、トルコのチャナッカレ1915橋を上回る規模で、主塔の高さは399メートルと世界最高水準となる。道路6車線と鉄道2車線を備え、完成後は交通の利便性が飛躍的に向上し、南部地域の経済活性化に貢献する。欧州連合の欧州横断輸送ネットワークにも位置づけられ、国際的にも戦略的意義の大きいプロジェクトとされている。
IHIグループは、これまでもルーマニアのブライラ橋やトルコのイズミット湾横断橋などで豊富な施工実績を持つ。今回の参画を機に、海外橋梁事業の拡大とインフラ整備を通じた国際貢献を一層強化する方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)