LayerX、150億円をシリーズBで調達、米TCVが日本スタートアップへ初投資

■世界的な投資家TCVがリード、MUFGなども参加、AI活用で「世界で競争力ある報酬体系」目指す

 LayerXは9月2日、TCVをリード投資家とする総額150億円のシリーズB資金調達を発表した。TCVはNetflixやSpotifyなどを支援してきた米国の成長企業向け投資家であり、日本のスタートアップに投資するのは初めてである。その他の引受先には三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)の連結子会社の三菱UFJ銀行と三菱UFJイノベーション・パートナーズ、Coreline Ventures、ジャフコ グループ(JAFCO)<8595>(東証プライム)、Keyrock Capital Management、JPインベストメントが名を連ねる。調達資金はエンジニアを中心とする採用拡充、セールス体制の強化、競争力のある報酬体系の構築、AI活用による業務効率化などに充てられる。

 同社は「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げ、AI SaaS「バクラク」、Fintech事業、AI・LLM事業の三本柱で事業を展開している。「バクラク」は経費精算や稟議、請求書処理、法人カードなどをAIエージェントが自動化するクラウドサービスで、累計1万5000社に導入されている。Fintech分野では三井物産<8031>(東証プライム)との合弁会社を通じ、デジタル証券を活用した資産運用サービス「オルタナ」を提供し、累計投資額は250億円を突破した。さらにAI・LLM領域では生成AIプラットフォーム「Ai Workforce」を大企業に展開し、導入実績を拡大している。

 今回の資金調達により、LayerXはエンジニア採用を強化するとともに、AIを活用した生産性向上と国際競争力ある報酬水準の実現を目指す。加えて、長期的に働きやすい職場環境を整備し、社会全体へのAI実装を加速させる方針を示した。TCVは「同社は日本企業のファイナンス業務を変革するAIネイティブなプラットフォームを構築している」と評価しており、海外投資家の参入により、日本発スタートアップの国際的な注目度が一層高まるとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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