南海プライウッド、フランス合板大手JOUBERTを買収し欧州展開を強化

■新築市場縮小を見据え、海外事業とリフォーム市場を成長戦略の軸に

 南海プライウッド<7887>(東証スタンダード)は9月10日、フランスの合板メーカー大手であるETABLISSEMENTS GUY JOUBERT(JOUBERT社)の株式を100%取得し、同社及びその子会社5社を連結子会社とすることを発表した。株式譲渡契約は9月17日に締結予定で、10月1日に譲渡実行を見込む。取得価額は約40億8000万円で、アドバイザリー費用を含め総額は約41億9600万円となる。今回の買収により、連結子会社となる5社は資本金規模から特定子会社に該当する。

 同社はこれまで国内の新築住宅市場を中心に成長してきたが、人口減少や世帯数減少に伴う新築需要縮小を見据え、リフォーム市場や海外市場での収益拡大を戦略課題に掲げてきた。特に欧州市場では2014年にフランスのNP ROLPIN SASを買収し、経営再建や製造工程改革を進めてきた経緯がある。今回の買収対象であるJOUBERTグループは、合板事業子会社や単板製造会社、植林事業会社などで構成され、オクメ合板とポプラ合板を主力製品とし、欧州を中心に31カ国以上で幅広い販売網を持つ。公共建築物や民間建築物のほか、車両や船舶など多様な分野に供給している。

 南海プライウッドは、JOUBERTグループを欧州における中核拠点と位置づけ、グループ全体での販売力強化や製造の合理化によるシナジー創出を目指す。特にNP ROLPINとの連携強化により、販路拡大や工場再編を通じた生産効率の向上を期待するほか、インドネシア子会社での建材生産品の欧州市場展開も見込む。さらにサプライチェーンや管理機能の共同化を進め、安定収益基盤の確立を図る。業績への具体的影響は精査中で、必要に応じて速やかに開示する方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  2. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  3. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  4. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  5. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  6. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る