イトーキ、薬剤自動ピッキングシステムを関西初披露、学術大会で調剤業務効率化を提案

■「DAP with MediMonitor」と「LED棚」で薬剤過誤防止を支援

 イトーキ<7972>(東証プライム)は9月26日、第58回日本薬剤師会学術大会付設薬科機器展示会(10月12日・13日、国立京都国際会館)に出展することを発表した。今回の展示では、メディカルフィールズと共同開発した薬剤自動ピッキングシステム「DAP with MediMonitor」および「トレイ位置表示LED棚」を関西エリアで初めて紹介する。同システムは薬剤トレイの入出庫を小型ロボットが行い、ピッキングと監査支援を一体化する仕組みを備えている。省スペース性や作業効率の向上、庫内トレイの自動再配置、停電時の対応など、多様な機能で薬局業務の効率化と安全性を追求している。

 展示製品の「DAP with MediMonitor」は8つの入出庫口を設けることで薬剤ごとの処理時間のばらつきを吸収し、作業者の待機時間を削減する。また、実績データを活用して夜間にトレイ配置を自動最適化し、頻出薬剤を取り出しやすい位置に再配置する機能を搭載する。加えて、停電や機器異常時でも扉を解錠すれば手作業でトレイを取り出せ、監査はタブレット端末で継続可能となる。一方の「トレイ位置表示LED棚」は調剤台のレイアウトに柔軟性があり、視認性の高いLED表示で複数人による同時ピッキングを可能にする。いずれも薬剤過誤防止と人手不足解消に寄与する技術とされている。

 背景には、医薬品品目数の多さによるピッキング業務の過誤リスクや、地域間で顕著な薬剤師不足の実態がある。厚労省の「0402通知」により薬剤師以外でも一部業務が可能となった一方で、調剤現場の負担は依然として大きい。イトーキとメディカルフィールズは、現場の声を反映した自動化・監査支援技術により、調剤薬局の作業負担軽減と地域医療の支援を目指している。今後も両社は薬局業務を支援するシステムの開発と普及を進める方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る