鉄建建設、非GNSS環境でのマシンガイダンス技術を実用化、トンネル掘削を1cm単位で可視化

■LiDARと独自検出システムを活用、汎用重機にリアルタイムガイダンス提供

 鉄建建設<1815>(東証プライム)は10月6日、非GNSS環境下における建設機械のマシンガイダンス技術を実用化したと発表した。CalTa、マップフォーと連携し、独自の自動検出システムと可搬式LiDARを組み合わせた「エッジシステム」を開発。GNSS信号が届かないトンネルや地下空間などでも、掘削状況をリアルタイムに可視化できる。重機への特殊センサの設置を不要とし、ヒートマップやマルチアングル視点を活用することで、1cm単位の掘削精度を実現した。現場作業の省人化・安全性向上に大きく貢献する技術である。

 模擬トンネルでの実証実験では、汎用バックホウによる掘削作業をエッジシステムのモニターを用いて実施。設計掘削高さに対して平均20mm(余掘り側)という高い精度を達成し、丁張が不要な施工が可能であることを確認した。測量作業を省略できるだけでなく、作業員が重機に接近する必要もなくなり、現場の安全性向上にも寄与する。社外関係者への公開でも、技術の実用性と応用範囲の広さが評価され、現場導入可能な段階に到達していることが示された。

 今後は、実施工現場に向けた運用手順の策定や、遠隔操縦による施工実験の展開を進める方針。また、自己位置推定性能の強化やマルチ計測技術の開発により、多様な施工現場への適用拡大を目指す。非GNSS環境下でも機械の自動化・効率化が進むことで、建設業界のDX推進、リモート施工管理、持続可能な現場体制の実現に資する技術基盤となる見通しである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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