フジッコ、加工昆布の摂取で健康長寿関連胆汁酸の産生促進を確認

■日本食物繊維学会で発表、加工昆布が腸内環境を改善する可能性

 フジッコ<2908>(東証プライム)は10月22日、加工した昆布の摂取が健康長寿に関わる胆汁酸の産生を促進することを確認したと発表した。同社は20〜63歳の健常者を対象に臨床試験を実施し、昆布を加熱処理して低分子化した食物繊維を摂取した場合、腸内細菌が産生するイソアロリトコール酸の量が増加することを明らかにした。この成果は日本食物繊維学会第30回学術集会(10月18〜19日、広島大学)で発表された。昆布に含まれる水溶性食物繊維の変化が、腸内環境の改善や免疫機能の制御に関与する可能性が示された。

 研究背景として、日本では100歳を超える長寿者が増加しており、これらの人々の腸内ではイソアロリトコール酸が多く産生されることが先行研究で確認されている。イソアロリトコール酸は病原菌に対する抗菌作用と、免疫の暴走を防ぐ制御性T細胞の分化促進に関与する胆汁酸である。今回の試験では、加熱加工した昆布粉末を2週間摂取した被験者で、便中イソアロリトコール酸の増加に加え、産生菌であるOdoribacter属およびアルギン酸分解菌Bacteroides属の増加が確認された。これにより、加工昆布の摂取が胆汁酸代謝と腸内細菌叢に相互作用する仕組みが実証された。

 同社はこれらの結果から、昆布の加工食品が百寿者のみならず若年層においても腸内環境の維持と健康長寿の支援に寄与する可能性を指摘した。今後は、佃煮や塩昆布など伝統的加工食品に含まれる低分子化食物繊維の作用をさらに研究し、健康寿命の延伸に資する食品開発を推進する方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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