エイトレッド、クラウド好調で安定成長基調、パッケージ減収影響を吸収し通期増益を維持
- 2025/10/30 08:14
- 決算発表記事情報

(決算速報)
エイトレッド<3969>(東証スタンダード)は10月29日に26年3月期第2四半期累計(中間期)業績(非連結)を発表した。クラウドサービスの拡大が牽引して増収だが、AgileWorks(パッケージ型)の減収影響などにより減益だった。ただし通期増益予想を据え置いた。クラウドサービスが順調に拡大する見込みだ。中間期の進捗率はやや低水準だが、期末に向けてストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だが調整一巡感を強めている。目先的には中間期の減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。
■26年3月期中間期減益だが通期増益予想据え置き
26年3月期第2四半期累計(中間期)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比2.1%増の14億05百万円、営業利益が8.8%減の4億82百万円、経常利益が8.0%減の4億87百万円、中間純利益が8.9%減の3億22百万円だった。
クラウドサービスの拡大が牽引して増収だが、AgileWorks(パッケージ型)の減収影響などにより減益だった。製品別売上高はCloudがユーザー数増加やパッケージ型からの移行により28.2%増の8億15百万円、AgileWorks(パッケージ型)がWindows10サポート終了に伴ってPC入れ替えに需要が流れた影響で19.7%減の4億92百万円、パッケージ型X-pointがクラウドへの移行に伴う新規ライセンス販売終了(22年3月)により23.4%減の97百万円だった。クラウド比率は11.8ポイント上昇して58.0%となった。またストック売上比率は第1四半期が5.6ポイント上昇して90.0%、第2四半期が13.8ポイント上昇して89.9%となった。
営業利益(前年同期比47百万円減益)の変動分析は、Cloud売上増加で1億79百万円増益、パッケージ売上減少で1億50百万円減益、人件費増加で12百万円減益、積極的な製品開発投資に伴う減価償却費増加で28百万円減益、広告宣伝費増加で15百万円減益、その他で21百万円減益だった。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億95百万円で営業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が7億09百万円で営業利益が2億59百万円だった。
通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が前期比12.8%増の31億20百万円、営業利益が10.6%増の11億70百万円、経常利益が10.3%増の11億70百万円、当期純利益が7.6%増の7億84百万円としている。配当予想は前期比2円増配の34円(第2四半期末17円、期末17円)としている。9期連続増配予想で予想配当性向は32.5%となる。
売上高に占めるクラウド比率を56%に引き上げることを目指し、パッケージベンダーからSaaSベンダーへの変革を推進する。また顧客単価の向上を図るとともに、解約防止により80%超のストック売上をより強固なものとするため、ユーザーコミュニティによりカスタマーサクセスの強化を推進する。
製品別売上高の計画はCloudが28.6%増の17億49百万円、AgileWorks(パッケージ型)が3.4%増の12億02百万円、新規ライセンス販売終了のパッケージ型X-pointが30.8%減の1億67百万円としている。Cloudは主力のX-point Cloudがパッケージ型からのシフトや新規顧客獲得により拡大基調である。AgileWorksクラウド版については25年4月1日より提供プラン変更(価格体系見直し)を実施した。認知度向上により下期から導入が加速する見込みだ。AgileWorks(パッケージ型)についてはバージョンアップやアップセルを推進し、レガシーシステムからの乗り換え需要を捉えて新規顧客獲得を推進する。パッケージ型X-point(27年3月サポート終了予定)については、クラウドやAgileWorksへの移行を推進する。
営業利益(前期比1億12百万円増益)の変動計画は、Cloud売上増加で3億88百万円増益、パッケージ売上減少で35百万円減益、人件費増加で1億12百万円減益、積極的な製品開発投資に伴う減価償却費増加で64百万円減益、クラウドインフラコスト増加で25百万円減益、その他で40百万円減益としている。
通期増益予想を据え置いた。クラウドサービスが順調に拡大する見込みだ。中間期の進捗率は売上高45%、営業利益41%、経常利益42%、当期純利益41%とやや低水準だが、期末に向けてストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は調整一巡
株価は9月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だが調整一巡感を強めている。目先的には中間期の減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。10月29日の終値は1523円、今期予想PER(会社予想のEPS104円71銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の34円で算出)は約2.2%、前期実績PBR(前期実績のBPS676円40銭で算出)は約2.3倍、そして時価総額は約114億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)



















