【米価高騰で注目】おこめ券政策、株式市場も反応、精米・農機・小売株に追い風

■政府、備蓄米から「購入支援」へ舵、おこめ券を主軸に

 鈴木憲和農林水産大臣は10月31日の会見で、急騰するコメ価格への対策として「おこめ券」の活用強化を発表した。子供食堂や低所得世帯など、米の購入が困難となる家庭への支援として配布を進める方針である。政府はこれまで備蓄米の放出や無償提供を継続してきたが、品質や数量の面に限界があり、現物供給から家計支援へ軸足を移すとした。鈴木農水相は「価格を直接引き下げても安定にはつながらない」と述べ、JA全中もこの方針を支持している。

■福井・台東区など現場主導で拡大、自治体発の米支援モデル

 自治体では既におこめ券を用いた支援が広がっている。福井県福井市は高齢者のみの世帯約3万1200世帯に、県産米専用の5000円分のおこめ券を11月から発送する。利用店舗は市内154店舗、使用期限は2026年2月末である。東京都台東区でも全世帯に4400円分、子育て世帯や3人以上の世帯には8800円分を配布し、区内スーパーで利用が始まっている。ほかにも商品券や食品支援金を配布する自治体が相次ぎ、生活防衛策として定着しつつある。

■家計防衛と消費刺激の両面、米価への影響は限定的

 おこめ券は購買力の下支えとして一定の効果が見込まれるが、市場全体の米価を押し下げる効果は限定的とみられる。一方で消費の底上げや個人消費の維持につながるとの評価もある。外食産業・小売業では原材料価格の高止まりによる値上げ圧力が続くが、インバウンド需要の回復などプラス材料も見られる。コメや米券を株主優待に活用する企業も注目され、生活防衛志向の高まりとともに関心が高まっている。

■米関連銘柄に視線集中、精米・農機・小売まで裾野広く

 株式市場では精米・流通、農業機械、農薬・肥料、食品・小売など幅広い銘柄に波及効果が期待される。木徳神糧<2700>(東証スタンダード)やヤマタネ<9305>(東証プライム)などのコメ卸、クボタ<6326>(東証プライム)や井関農機<6310>(東証プライム)などの農機メーカー、住友化学<4005>(東証プライム)や日産化学<4021>(東証プライム)の農薬・肥料関連が挙げられる。イオン<8267>(東証プライム)、ライフコーポレーション<8194>(東証プライム)など小売各社では来店数増加が期待され、米券優待を扱う企業も投資家の注目を集めている。おこめ券は生活支援と消費喚起を両立する施策として存在感を強めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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