ミロク情報サービス、26年3月期中間期増収増益と順調、通期増収増益予想据え置き

(決算速報)
 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は10月31日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。増収増益と順調だった。サブスクリプション型クラウドサービスの拡販により、ストック型のソフトウェア使用料収入が大幅に増加した。そして通期の増収増益予想を据え置いた。サブスクリプション型への移行加速によってストック収益が積み上がることが予想され、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。

■26年3月期1Q減益だが通期増収増益予想据え置き

 26年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比6.3%増の241億72百万円、営業利益が6.2%増の31億51百万円、経常利益が7.6%増の32億57百万円、親会社株主帰属中間純利益が28.9%増の26億54百万円だった。

 増収増益と順調だった。人的資本経営に伴って人件費が大幅に増加したほか、売上拡大に伴って仕入原価も増加したが、サブスクリプション型クラウドサービスの拡販により、ストック型のソフト使用料収入が大幅に増加した。なお特別利益で投資有価証券売却益が1億04百万円増加(前期は3億58百万円、当期は4億62百万円)したほか、特別損失で前期計上の暗号資産売却損1億82百万円が一巡した。

 品目別売上高は、システム導入契約売上高が3.2%増の124億46百万円(内訳はハードウェアが16.1%増の30億35百万円、ソフトウェアが6.8%減の55億28百万円、ユースウェアが10.7%増の38億83百万円)で、サービス収入が12.7%増の101億20百万円(内訳は会計事務所向け総合保守サービスTVSが2.0%増の13億22百万円、ソフトウェア使用料収入が31.9%増の46億63百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が5.8%増の8億81百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が5.8%増の8億81百万円、サプライ・オフィス用品が17.7%減の2億25百万円)だった。中堅・中小企業向けERP製品のサブスクリプション型への移行促進により、ソフトウェア使用料収入などストック型のサービス収入が大幅に伸長した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が115億68百万円で営業利益が12億44百万円、第2四半期は売上高が126億04百万円で営業利益が19億07百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が前期比6.2%増の490億円、営業利益が6.6%増の67億円、経常利益が6.4%増の68億円、親会社株主帰属当期純利益が11.8%増の49億円としている。配当予想も据え置いて前期比5円増配の60円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は36.7%となる。

 増収増益で連続増配予想としている。新規顧客獲得による顧客基盤の拡大、サブスクリプション型への移行加速、アップセル・クロスセルの推進などにより、人件費の増加などを吸収する見込みだ。中間期の進捗率は売上高49%、営業利益47%、経常利益48%、親会社株主帰属当期純利益54%と概ね順調である。サブスクリプション型への移行加速によってストック収益が積み上がることが予想され、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は9月の戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。10月31日の終値は1764円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS163円66銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の60円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS978円29銭で算出)は約1.8倍、そして時価総額は約570億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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