インテリックス、全国保証と業務提携検討で覚書締結、リノベと信用保証を融合

■販売成約率向上・物件仕入拡大・資産流動化の3領域で連携検討

 インテリックス<8940>(東証プライム)は11月5日、全国保証<7164>(東証プライム)との業務提携の検討に関する覚書を締結したと発表した。中古マンションのリノベーション事業を手掛ける同社は、ホールディングス化を2025年12月に予定しており、成長加速と企業価値向上を目指して協業体制の構築に踏み出した。提携検討の背景には、インフレ進行やAIなどテクノロジーの進化といった不動産業界を取り巻く環境変化がある。リノベーション需要の拡大に対応するため、信用保証に強みを持つ全国保証との連携を通じて事業共創を図る。

 提携検討の主な狙いは、両社のノウハウと顧客基盤を融合し、不動産流通と住宅ローン分野のシナジー創出にある。具体的には、(1)全国保証の顧客データベースを活用した購入希望者の事前審査により物件販売成約率の向上、(2)保証物件情報を活用した物件仕入ルートの拡大と全国保証の保証業務拡充、(3)資産流動化ファンドの組成によるリースバック物件のオフバランス化と資産運用の高度化、の3点を中心に検討する方針である。これにより、同社グループのオンライン不動産プラットフォーム「FLIE」にも波及効果が期待される。

 全国保証は住宅ローン保証残高で国内トップクラスの独立系企業であり、信用保証や営業基盤に強みを持つ。一方、インテリックスは累計2万8000戸超のリノベーション販売実績を有する。同提携により、老朽化不動産の有効活用促進や住宅購入支援を通じて、業界が抱える人手不足や資材高騰の課題を事業機会へ転換する狙いがある。現時点で業績への影響は軽微としており、今後進捗に応じ公表を行うとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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