アルコニックス、中間期小幅減益も通期増益・増配維持、電子機能材と金属加工が堅調

(決算速報)
 アルコニックス<3036>(東証プライム)は11月6日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。電子機能材、装置材料、金属加工が伸長したが、アルミ銅における地金・スクラップ取引の収益率低下などが影響し、全体として小幅経常減益だった。ただし通期経常増益予想を据え置いた。中間期の進捗率は概ね順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は18年以来の高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■26年3月期中間期小幅経常減益、通期経常増益予想据え置き

 26年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比6.7%増の1020億46百万円、営業利益が27.8%増の44億12百万円、経常利益が1.8%減の39億60百万円、親会社株主帰属中間純利益が3.3%減の25億73百万円だった。

 電子機能材、装置材料、金属加工が伸長したが、アルミ銅における地金・スクラップ取引の収益率低下などが影響し、全体として小幅経常減益だった。営業外では受取配当金が1億49百万円減少(前期は4億46百万円、当期は2億97百万円)したほか、為替差損益が6億94百万円悪化(前期は差益3億81百万円、当期は差損3億13百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が2億46百万円減少(前期は3億93百万円、当期は1億47百万円)した。

 セグメント別経常利益は、商社流通の電子機能材事業が2.2%増の14億87百万円、商社流通のアルミ銅事業が2億74百万円の損失(前期は6億70百万円)、製造の装置材料事業が4.5%増の5億10百万円、製造の金属加工事業が56.3%増の22億18百万円だった。

 電子機能材事業は電池関連取引や半導体関連取引が寄与して小幅増益、アルミ銅事業は地金・スクラップ取引の収益率低下、自動車関連製品やチタン製品の需要低迷で赤字化、装置材料事業は検査装置取引や北米の電気設備部品取引などが増加して小幅増益、金属加工事業は半導体実装装置用金属加工品と電池関連プレス部品が牽引して大幅増益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高525億06百万円、営業利益24億45百万円、経常利益20億52百万円、第2四半期は売上高495億40百万円、営業利益19億67百万円、経常利益19億08百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比9.1%増の2150億円、営業利益が27.2%増の88億円、経常利益が8.9%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が12.4%増の54億円としている。配当予想は前期比10円増配の84円(第2四半期末42円、期末42円)としている。連続大幅増配で予想配当性向は46.9%となる。

 26年3月期も増収増益・連続大幅増配予想としている。実需の強い業界に注力してコスト転嫁等を推進する。中間期は小幅経常減益だったが、中間期の進捗率は売上高47%、営業利益50%、経常利益48%、親会社株主帰属当期純利益48%と概ね順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は18年以来の高値圏

 株価は18年以来の高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。11月6日の終値は2124円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS179円79銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の84円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2327円12銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約661億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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