【どう見るこの株】ビジネスブレイン太田昭和は大幅増配と優待拡充の高総合利回り買いが再燃

■年間配当133円へ増額、株主優待も3000円分に拡充

 ビジネスブレイン太田昭和<9658>(東証プライム)は、前日6日に20円高の3545円と反発して引け、取引時間中には3575円と上値を伸ばす場面もあり、今年11月4日につけた上場来高値3655円を意識する動きを強めた。同社株は、今年10月31日に今2026年3月期配当の大幅増配と株主優待制度の変更を発表し、総合利回りが大きくアップすることを手掛かりに窓を開けて上場来高値3655円へ575円高し、前日は日経平均株価が1284円安と大幅続落するなか利益確定売りに押されたが、前日の全般相場の反発とともにインカムゲイン狙いの買い物が再燃した。また今年11月10日には今2026年3月期第2四半期(2025年3月~9月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、今期第1四半期(2025年4月~6月期、1Q)業績と同様にV字回復含みにあることも側面支援材料視されている。

■配当は55円の連続大幅増配で優待制度も2000円分アップ

 今3月期の大幅増配は、配当方針を従来の連結配当性向40%を基本としていたのを株主資本配当率(DOE)5%を目安にすることに変更するとともに、10年以上増配を継続するとしたことに伴うものである。中間配当を期初予想の37円から66.5円、期末配当も同じく52円から66.5円に引き上げ、年間133円(前期実績78円)へ連続大幅増配する。また株主優待制度は、100株から200株を1年以上保有する株主にオリジナルクオカード1000円相当を贈呈していたものを100株から300株保有している株主に同3000円相当を贈呈することに変更する。配当利回りは、従来の2.51%から3.75%へ、配当と優待制度と合わせた総合利回りは同じく2.79%から4.59%へ各アップする。

 一方、同社の今期1Q業績は、売り上げ100億5200万円(前年同期比15.6%増)、営業利益6億5500万円(同2.05倍)、税引前利益9億7400万円(同2.21倍)、純利益5億5100万円(同2.88倍)とV字回復した。コンサルティング・システム開発事業の前期不振を挽回する受注増やBPO&マネジメントサービス事業の受注増で受注高が99億3200万円(同11・8%増)と続伸し受注残も128億7800万円(同11.3%増)と順調に積み上がったことなどが要因で、前々期に計上した181億5400万円の特別利益の一巡で落ち込んだ前年同期からのリカバリーを鮮明化した。今3月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ426億円(前期比9.8%増)、営業利益33億円(同14.9%増)、税引前利益39億7000万円(同18.4%増)、純利益25億6000万円(同3.7%増)と見込んでいるが、来週10日発表の今期2Q累計業績の動向が注目されている。

■インカムゲイン・キャピタルゲインのダブル妙味で上値チャレンジ

 株価は、今期業績の増益転換・連続増配予想で3000円大台に乗せるとともに25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し25日線をサポートラインに3170円高値まで上値を伸ばし、ハイテク株買い・バリュー株売りの全般相場の影響を受けて25日線を出没する高値調整を続けてきたが、大幅増配・優待制度変更とともに上場来高値を更新しスピード調整中である。PERは15.9倍と市場平均を下回り、総合利回りも4%超となるだけにインカムゲイン・キャピタルゲインのダブル妙味含みとなる。最高値抜けから一段の上値チャレンジンに進もう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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