パスコなど3社、衛星「だいち4号」データ提供を開始、観測と通信性能を大幅向上

■JAXA開発の最新レーダ衛星、3メートル分解能で200キロ観測を実現

 セコム<9735>(東証プライム)傘下のパスコは11月10日、、一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)、株式会社Tellusと共同で、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」の観測データ提供を開始したと発表した。パスコがJAXAとの主契約者となり、RESTECとTellusがパートナーとして参画する。まずはアーカイブデータから提供を始め、順次利用拡大を図る。

 ALOS-4はLバンド合成開口レーダ(PALSAR-3)を搭載し、200キロメートルの観測幅を3メートルの分解能で撮影できる。通信面では3.6Gbpsの高速伝送を実現し、光データ中継衛星を介して地上局と直接通信できない地域でも即時データ送信が可能となった。観測能力と通信速度は「だいち2号」に比べてそれぞれ約4倍、4.5倍に向上している。

 提供データは自然災害の被災状況把握、地盤沈下の監視、環境保全、インフラ点検、海氷監視、資源探査など幅広く活用が期待される。3社は今後、ALOS-4データを活用した新たなサービス創出にも取り組む方針であり、サンプルデータも各モード単位で提供を開始している。これにより、国内の防災・環境・産業分野における衛星データ利用の裾野拡大が見込まれる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る