【注目銘柄】カーリット、上方修正・増配・自己株取得と消却のトリプル材料で成長期待が鮮明に

■日中関係緊張が重なり突っ込み買いも一考余地

 カーリット<4275>(東証プライム)は、前日18日に65円安の1574円と3営業日続落して引けた。日経平均株価が、1620円安と3営業日続落し、4万9000円大台を割ったことから、今年11月13日に上場来高値1780円まで買い進まれていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ今年11月12日に今2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月期、2Q)累計業績・3月期通期業績の上方修正と増配、自己株式取得・消却のトリプル材料を発表しており、これを手掛かりに下値は突っ込み買い妙味も示唆している。また同社株は、防衛関連株の一角に位置付けられており、高市早苗首相の台湾有事の際の存立危機事態の国会答弁を巡って日中関係が緊張し、政治問題化していることから、先取りの地政学リスク関連買いが浮上する展開も想定される。

■化薬分野、電子材料分野などが堅調に推移し価格改定・コスト削減効果も相乗

 同社の今2026年3月期業績は、売り上げを期初予想より10億円引き下げたが、逆に営業利益を4億円、経常利益を3億5000万円、純利益を1億5000万円それぞれ引き上げ、売り上げ380億円(前期比2.9%増)、営業利益35億円(同14.9%増)、経常利益37億円(同11.4%増)、純利益28億5000万円(同10.9%増)と見込み、純利益は、2期ぶりの過去最高更新の更新幅を拡大させる。シリコンウェーハ分野の在庫調整に伴う稼働率低下などで売り上げは下ぶれるが、利益は、化学品セグメントの化薬分野、電子材料分野、セラミック材料分野などが堅調に推移し、適正価格を反映させコスト削減にも取り組んだことなどが要因となった。

 同社は、株主還元策について総還元性向を40%とすることを基本にしており、今期配当は、業績上方修正とともに期初予想の36円から38円(前期実績36円)へ増配する。また取得株式数の上限を50万株(発行済み株式総数の2.2%)、取得金額を5億円、取得期間を11月13日から来2026年2月27日までとする自己株式取得を発表した。同自己株式取得は、今年8月7日に取得が終了した今期1回目の自己株式取得(取得株式数83万7400株、取得総額9億9993万円)に次ぐ今期2回目となる。なお同社は、H3ロケットなどのロケットブースターや防衛関連製品向けの固体推進薬の原料となる過塩素酸アルミニウムの増産投資に相次いで着手している。

■窓明け急伸後のスピード調整中でPERは12倍、PBRは0・9倍と割安

 株価は、トランプ関税ショックによる世界同時株安時に突っ込んだ年初来安値840円から売られ過ぎ修正でリバウンドし、今期業績の増益転換予想、自己株式取得、株主還元方針の変更の発表で1200円大台に乗せ、今期第1四半期の2ケタ増益着地では1429円と上値を伸ばして防衛関連株人気の波及とともに1589円と買い進まれるなど25日移動平均線を下値サポートラインに上昇トレンドを続けた。今回の今期業績の上方修正・増配・2回目の自己株式発表では窓を開けて上場来高値1780円へ急伸し、足元ではこの窓を埋めるスピード調整中である。PERは12.5倍、PBRは0.94倍と割安であり、割安修正に再発進し上場来高値奪回から上値チャレンジを強めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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