【材料でみる株価】アスカネットは全般相場不透明で動く習性、値動き注視を、注目の新事業着々と進展

材料でみる株価

 アスカネット<2438>(東マ)は、昨年来高値が3430円(4月21日)、同安値が1160円(今年1月18日)で、20日の終値は1099円である。全般相場が不透明なときに動く習性があるので注視しておきたい。主力の遺影写真加工や写真集制作関連が安定収益源となり、16年4月期増収増益基調である。そして空中結像AIプレート事業も製品化に向けて着実に進展している。

 注目の空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートは、画像映像を表す光を特殊なパネルを通過させることによって反対側の空中に映像を結像する新技術である。AIプレートだけで空中ディスプレイが可能となるシンプルな構造が特色であり、サイネージ関連をはじめとして車載、医療、操作パネル、飲食、アミューズメントなど多方面の業界・業種から注目されている。

 独自技術を強固にするため特許申請も進め、将来的には自ら立体映像を空中に創出する技術の確立も目指している。そして基本技術を確立し、AIプレート試作品の販売を進めながら、低コストと大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立に取り組んでいる。

 同社が想定している第一段階の量産は、リスク等を考慮して現有の設備やラインを最大限に活用することを前提としており、いきなり大規模・大ロットの量産を指向していない。複数の製造方法のうち最も優れた方法が明確になった時点で、専用ラインの立ち上げなどにより多量の量産が可能な体制を段階的に構築する方針としている。

 またAIプレートは素材であるため、AIプレート供給先がAIプレートを活用して商品化することが量産の前提となる。したがってAIプレート供給先の実際の商品化までは一定の時間を要する可能性がある。このため16年4月期は小ロット案件を中心に確実に案件を積み重ね、その後の大ロット案件に繋げたいとしている。

 15年10月開催「CEATEC JAPAN 2015」では、米インテル、NECソリューションイノベータ、NHKメディアテクノロジー、東京大学の協力を得て、先進的な技術との融合により、AIプレートが創りだす近未来を具体的に提案した。また1m四方の大型AIプレートを使用した迫力ある空中結像とインタラクティブな操作なども展示した。

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