インテリジェント ウェイブの代表取締役社長井関司氏が上期業績と通期業績予想について語る

■第2四半期は期初予想を上回るペースで推移

 インテリジェント ウェイブ<4847>(JQS)の代表取締役社長井関司氏が、5日に当社の第2四半期決算説明会で、上期の業績と通期業績予想について詳しく語った。

 3か月前のこの場所で、計画通りとはいえ、第1四半期の減収減益を発表しました。しかし、お陰様で、第2四半期は増収増益とすることができました。特に利益面では、2ケタ増ということになりました。
 売上高については、期初計画の3%程上振れしました。利益面については期初予想から倍増するという良い結果となりました。
 今年1月から世界経済の不安定要素もあり、株式市場も下げています。総じて我々の顧客は、金融機関が中心ですが、業績面では底堅いところもあります。システム系の投資も、昨年一昨年より少しずつ増えていますので、当社の好業績につながっているのではないかと思います。

■プロダクトソリューション事業は、売上高においても利益面においても大きく伸びる

 分野ごとに今回の業績を説明しますと、主力の金融ソリューションは、システム開発は少しずつ増えていますので、利益も増えています。特に証券業界で、大手の証券会社がホールセールで基幹システムの刷新が行われていまして、それに伴い、証券業界関連の事業は、この上半期だけでなく、この通期においても大きく業績を伸ばすものと思っています。
 また、昨今のサイバーセキュリティ対策が全業種において、盛んに検討されています。それに伴い、当社のプロダクションソリューション事業は、売上高においても利益面においても大きく伸ばしています。
 従いまして、1億強の利益増の8割がたはほとんどセキュリティ製品の販売が大きく寄与しています。特に、10年以上前からCWAT(シーワット)という内部の従業員の方の異常なオペレーションを監視するという自社製品を中心に販売をしていましたが、ここにきて、他社製品ながら外部から悪質ソフトウェアというマルウェアの侵入による情報漏えいだとか、弱性を攻撃するというソフトウェアに対する対策ソフト、Traps(トラップス)ですとかCxSuite(シーエックススウィート)等の製品群を増やしました。
セキュリティ事業の分野は、CWATもお陰様で、内部からの情報漏えいを防ぐということで販売も好調でしたし、それに加えて、Traps、CxSuite等、総合的なサイバーセキュリティ製品も非常に好調に推移していまして、全社の利益に大きく寄与したことになります。

■セキュリティ製品の営業利益は上振れする可能性もある

 今申し上げましたように、上期の実績は非常に好調でしたが、少し慎重に見て、通期予想については期初予想を変えていません。
 従いまして、下期予想は売上高35億、営業利益3億3000万円くらいを見込んでいます。
 分野毎に分析しますと、証券業界の売上増、利益増は、下期もある程度見込めると見ています。クレジットカード業界向けのシステム開発関係は、ちょっと不安定な要素もありますので、見通しとしては、現状を維持して、と思っています。
 セキュリティ製品については、上期で3億7600万円、下期で4億2000万円と見ていて、Trapsについては、企業の期末である3月を超えて、新年度に入ってからの購入の見込みがありますので、ことによると今の営業利益を上振れするという可能性があります。

■ホールセール系の基幹システムの刷新が1年以上にわたって行われる予定

 分野毎に今の主要な案件について説明したいと思います。まず、金融システムソリューションにつきましては、親会社の大日本印刷のもとで、日本ユニシスと構築しましたブランドプリペイドの決済プラットフォームの第1弾として11月にローソン向けのブランドプリペイドのシステムのリリースを行いました。それから、同じカード会社でも、一部システムの刷新を行い、それに伴い、ゲートウェイとか、認証といわれているところのカスタマイズを受注しました。従って、ネット系のカード会社さんについては、NET+1のカスタマイズがありましたので、業績に貢献しました。
 大手証券さんにつきましては、先程から申していますように、ホールセール系の基幹システムの刷新が1年以上にわたって行われる予定でして、上半期についてもゲートウェイの部分の刷新を行うご提案を行っていますので、業績に大きく寄与しています。それから、オンライン証券さんでも当社の得意な情報配信基盤の部分、ゲートウェイの部分の改修が入りまして、上期の業績に寄与しています。

■カード会社、ネット系の銀行はシステムの投資に非常に積極的

 下期から来期につきましては、大手カード会社さんで、かなり大規模なシステムの統合が予定されています。それに伴って、私共のNET+1も統合します。複数社で稼働しているNET+1というゲートウェイのシステムを5年間にわたって統合します。この下期には大きく寄与はしませんが、来期以降相当規模の開発案件に繋がってゆくと思っています。
 それから前期から、ネット系のカード会社さんは、いろんな意味で私共の認証のシステムであったり、ゲートウェイのシステムに手を入れたりしてシステムの規模が大きくなっていますので、データの入り口部分も大きくしています。  カード会社さんにしてもネット系の銀行さんにしても、非常に積極的にシステムの投資をされていて、規模の拡大を図っていこうとされていますので、それに伴い私共のゲートウェイのシステムもカスタマイズするという話が非常に多くあります。また、ATMについては、海外のお客さんが非常に多く来日されていますので、自分の持っているカードでお金を引き出したいという要望があります。これまでは、国内のカードしか使えませんでしたが、来日客からの要望がありますので、ATMからのデータのスイッチング、ゲートウェイのカスタマイズの仕事が次々と入っています。ATM系のフロントシステムについても継続的に増えてくるのではないかと思っています。

■Trapsへの注目が非常に高く、商談も非常に多い

 プロダクトソリューション事業につきましては、Trapsへの注目が非常に高く、商談も非常に多く、官公庁、大手企業、中小企業といったところから話が来ています。Trapsについては、トライアルをしていただいて、導入していただいた後でも、マルウェアが引っ掛かるので、どのような種類なのか分析をしなければなりません。導入するだけでなく、運用支援も必要となってきます。Trapsを導入した後でも、導入支援という形でサービスを開始しています。これまでのセキュリティ製品とは異なり、導入後もサービスが必要となることから、今後プロダクトソリューション事業を大きくしていく要素になるのではないかと考えています。

 と今期の上期の状況と、下期の見通しについて語った。

 16年6月期第2四半期連結業績は、売上高29億96百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益2億02百万円(同10.3%増)、経常利益2億15百万円(同17.3%増)、純利益1億45百万円(同40.6%減)であった。最終利益の大幅減益は、前期は投資有価証券評価損の一部について税務上損金計上できたことの影響による。

 第2四半期が期初予想を上回るペースで進んでいることから、通期業績予想の上振れも期待できる。

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