【株式評論家の視点】セレスは求人広告掲載件数が2倍に伸長、今期2ケタ増益、株価は日柄調整進展待ち

株式評論家の視点

 セレス<3696>(東マ)は、「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」という企業理念のもと、「自社の運営するメディアの利用価値を最大化する」というミッションを実現することを目指し、運営するサービスのスマートフォン版に注力し、ユーザー数の拡大や掲載広告数の増加に向け各種施策の実行や積極的な営業活動を展開している。

 ポイントメディア事業においては、友達紹介などによる効率的なプロモーションを通じた新規会員獲得に加え、既存会員向けの継続利用の促進施策を行っているほか、会員のECサイトでの利用金額の一定割合をポイントで還元するEC連携型のアフィリエイト広告を強化している。また、同一広告カテゴリ内で、人気順や価格順などで比較しやすい特集ページの作成や、広告の種類別に検索ができる広告カテゴリガイドを設置するなど、サイトのユーザビリティ向上に注力している。

 HRメディア事業においては、営業活動の強化により2016年3月末のモッピージョブの求人広告掲載件数は、前年同月末に比べ2倍の約6万8千件と大幅に増加している。これによりサイトへの流入数が増加し、売上高増加に寄与している。また、利用者の利便性向上を目的に、モッピージョブにおける求人広告原稿の詳細ページと応募フォームを改善したことにより、求人広告への応募率が上昇している。

 5月12日大引け後に発表した今2016年12月期第・1四半期業績実績は、売上高が9億0300万円(前年同期比34.5%増)、営業利益が1億6300万円(同54.4%増)、経常利益が1億6000万円(同52.5%増)、純利益が9900万円(同62.7%増)に着地。

 通期業績予想は、売上高が36億5200万円(前期比15.3%増)、営業利益が5億2000万円(同11.8%増)、経常利益が5億0700万円(同10.6%増)、純利益が3億2300万円(同20.1%増)を見込んでいる。

 第1四半期は、売上高・営業利益で過去最高で前年同期比・前四半期比ともに増収増益。ポイントメディアの順調な会員数の増加が貢献しているほか、既存会員の活性化も寄与。営業利益は年計画に対する進捗率が31.4%と順調に推移しており、通期業績予想の上ブレも視野に入る。

 株価は、1月15日につけた年初来高値1827円から2月12日に年初来安値759円まで調整を挟んで4月4日高値1798円と上昇。その後、1600円を軸にモミ合っている。経済産業省では、ブロックチェーン活用による潜在的国内市場規模は67兆円と予測しており、同社が中長期の成長戦略としてスマートフォンの拡大を背景に「ポイントメディア+α」を創造を図ることが注目される。ポイントを活かしたオムニチャネル支援・スマホ/ポイント決済や仮想通貨などのFinTech分野においてO2O事業への新規展開することへの期待感があり、13週移動平均線がサポートした感がある。折に触れ刺激材料を発表すると予想されるうえ、足元の業績は好調に推移しており、日柄調整が進めば、モミ合いを上放れる可能性は高い。ここからの押し目は買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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