【株式評論家の視点】ラクト・ジャパンは四半期ベースでは営業増益、アジア市場の拡大に期待

株式評論家の視点

 ラクト・ジャパン<3139>(東2)は、昨年8月28日に東京証券取引所市場第二部に上場。同社は、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を運営している。国内屈指の規模と調達力を誇る乳製品原料に加えて、食肉加工品を扱う専門商社で、国内最大規模を誇っている。コア製品に特化することで独自のポジションを築き、日本が輸入する乳製品原料取扱量のシェアのおよそ30%を占めている。国内では、環境変化に着実に対応しながら事業基盤の強化を図っているほか、アジアにおいては自ら市場を創造しながら、その成長を取り込んで事業拡大を目指している。

 今2016年11月期第2四半期は、グローバルネットワークを活かした価格競争力のある高品質な商品の提供を行い、販売数量では前年同期を上回ったが、昨年から続いている国際乳製品価格の下落や円高の進行により仕入価格が大幅に下落したことに伴い販売価格も低下したため、乳原料・チーズ部門は、販売数量は前年同期比3.4%増となったものの、全体の売上高は2ケタの減少となった。

 今16年11月期第2四半期業績実績は、売上高が432億3300万円(前年同期比10.3%減)、営業損益が13億2600万円の黒字(同1億6700万円の赤字)、経常利益が4億4700万円(同28.7%減)、純利益が2億7000万円(同28.5%減)に着地。

 通期業績予想は、売上高が851億4000万円(前期比13.1%減)、経常利益が10億8000円(同19.6%減)、純利益が7億円(同15.8%減)を見込んでいる。配当は期末一括31円(同1円増)を予定している。

 株価は、1月7日の年初来高値1634円から2月12日に上場来安値971円と調整を挟んで7月11日高値1339円と上昇。その後、モミ合っている。3-5月期四半期ベースでは営業利益は6億9400万円(12-2月期営業利益6億3200万円)と増加傾向で、来17年営業増益と観測されている。アジア事業に対する期待感が下支えするほか、今期予想PER8倍台・PBR0.60倍と割安感があり、配当利回り2.5%と利回り妙味はソコソコある。1200円どころを下値として確認した感があり、ここから下押す場面は買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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