【村山貢司の気象&経済歳時記】2017年も異常気象に悩まされる年?

 あけましておめでとうございます。2016年は異常気象の連続であった。日本に上陸した台風は6個であったが、特筆すべきは北海道に3個上陸し、史上初めて東北地方に上陸したことである。北海道は前線の影響もあって記録的な大雨になり、鉄道や道路にも大きな被害が出た。

 9月は全国的な長雨になり、8月後半からの不順な天候もあって野菜が記録的な高値になった。8月後半からの不順な天候は14年以降3年連続であった。2016年の冬はエルニーニョ現象が起きていたが、夏の終わりから正反対のラニーニャ現象に移行し、この急激な変化が日本やアジアに大規模な異常気象を引き起こしたものである。ラニーニャ発生時の夏は北日本で雨が多いのが特徴である。

 現在のラニーニャ現象は少なくとも春までは続き、初夏以降は平常に戻る可能性が高いが、夏まで続くこともあり得る。天候への影響は少なくとも夏の前半まで残るであろう。ラニーニャ発生時の春は、気温は平年並みであるが、北日本と西日本で日照時間が少なく、雨量は西日本と沖縄で少ない。

 夏は、東京など東日本を中心に気温が高く猛暑になりやすい。日照時間は全国的に平年並みか多く、雨量は北日本と西日本、沖縄などで少なくなる。というのが今までのパターンである。いずれにしても、異常気象の大きな要因であるラニーニャ現象が現在発生しているために、2017年も異常気象に悩まされる年になりそうだ。(村山貢司=気象予報士・経済評論家)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る