大林組が建設現場向け仮設空調システム「涼人」を開発、熱中症対策を強化

■建設業界初、大林組が施工済みダクト活用で全館仮設空調を実現

 大林組<1802>(東証プライム)は7月11日、建設現場での熱中症対策として、施工済みダクトを活用した仮設空調システム「建設現場“涼人(りょうじん)”プロジェクト」を構築し、東京都中央区日本橋の新築工事に試験導入したと発表した。建物全体の空調を稼働前に仮設設備で実施する試みは、建設業界で初めてとされている。改正労働安全衛生規則の施行により、事業者には熱中症対策の強化が求められており、高温多湿となる屋内環境への対応が急務となっている。

 同プロジェクトでは、高圧ファン型の大型モービルクーラーを地上に設置し、竣工後に使用予定の空調ダクトを通じて冷気を各階に供給する。各階に設置された電動ダンパーで冷風供給エリアを時間ごとに切り替える方式を採用しており、作業工程に応じて柔軟に冷却を行う。試行現場では4台の仮設空調機を使用しており、今後は増設により大規模建物にも対応可能としている。

 室温は猛暑日でも28度C程度を目標とし、WBGT値25以上または気温31度C以上となる現場では作業と休憩を繰り返す安全基準を維持しながら、通常時と同様の作業効率を確保できると見込まれる。大林組は今後、設計段階から本プロジェクトの導入を提案し、対応現場を拡大していく方針を示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る