TAC 会計系3講座は受講者数が減少、一方で金融・不動産分野の主要講座は好調

■景気の回復につれて財務・会計系の求人ニーズが高まる

 資格の学校TAC<4319>(東1)は3日引け後、今期15年3月期第3四半期連結業績を発表した。

 売上高147億53百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益3億59百万円(同71.2%減)、経常利益6億円(同59.8%減)、純利益3億64百万円(同61.0%減)と減収減益であった。

 同社は、財務・会計分野(簿記検定・公認会計士など)、経営・税務分野(税理士・中小企業診断士など)、金融・不動産分野(宅建・不動産鑑定士・FPなど)、法律分野(司法試験・司法書士など)、公務員・労務分野(社会保険労務士・国家総合職など)といった幅広い分野で「資格の学校」を運営し、法人研修事業、出版事業、人材事業も展開している。

 今期第3四半期の受講者数は、個人受講者10万7,194人(前年同期比6.1%減)、法人受講者5万2,841人(同0.8%増)となり、合計で16万35人(同3.9%減)とやや減少している。法人受講者は、通信受講形態が同10.9%増と伸びたが、提携校が同15.4%減、大学内セミナーが同3.8%減と減少。

 講座別では、会計系3講座は受講者数が減少し、簿記検定講座で同8.0%減、公認会計士講座で同5.3%減、税理士講座で同9.3%減。また、法律系講座も全般に低調で、司法試験講座が同15.9%減、司法書士講座が同10.7%減、弁理士講座が同14.5%減、行政書士講座が同13.2%減であった。

 一方、金融・不動産分野の主要講座は好調なものが多く、宅建主任者講座が同2.0%増、証券アナリスト講座が同11.2%増、ビジネススクールが同29.1%増、建築士講座が同60.8%増であった。社会保険労務士講座は同6.9%減であったが、公務員講座(国家一般職・地方上級コース)は同8.7%増と好調を維持している。情報・国際分野はCompTIA講座が同12.5%増である一方、USCPA講座が同20.5%減となる等、まちまちであった。

 今第3四半期までの業績動向から判断すると、景気の回復につれて財務・会計系の求人ニーズが高まってきていて、就職説明会等への大手会計事務所出展の引き合いが非常に強くなっている一方で、求人側のニーズが十分伝わっていないところもあり、まだ受験者数は増加していない。しかし、12月には税理士講座で新しい取組みの成果が出て、前年売上を上回った。また、資格試験市場の縮小に対しては、増進会出版社との資本・業務提携、関西での医療事務関連会社の子会社化及び医療事務講座の開講に加え、首都圏でも医療事務講座の開講及び医療事務に係る派遣事業を開始するなど新しい取り組みを行っている。

 通期連結業績予想は、当初予想を据え置き、売上高203億円(前期比1.1%減)、営業利益10億50百万円(同1.5%増)、経常利益10億80百万円(同16.9%減)、純利益6億15百万円(同24.7%減)を見込んでいる。

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