【企業レポート】サンリオの株価とサンリオキャラクター大賞の相関性、株価は割安

企業レポート

サンリオ<8136>(東1)

 訪日観光客が2400万人を突破している。一時のような家電製品の爆買いはなくなったが、キャラクターグッズのような小物の需要は旺盛である。世界的にはミッキーマウス・ドナルドダックのようなディズニーものが有名だが日本のキャラクターも負けていない。鉄腕アトム・ドラえもん・ウルトラマン・ガメラ・ゴジラ・仮面ライダー・機動戦士ガンダム・アンパンマン・ワンピースからくまもん・ふなっしー・しまねっこなどのご当地ゆるきゃらなどが挙げられるがなんといっても横綱はサンリオのハローキティ(キティちゃん)であろう。ちょうどこの時期、サンリオキャラクター大賞の人気投票の真っ盛りであるが、果たしてこのキャラクター大賞とサンリオの株価に相関関係があるのかを調べたのが本レポートである。

■キャラクター大賞
1999年から2009年-ハローキティ
2010年-マイメロディ
2011年-マイメロディ
2012年-ハローキティ
2013年-ハローキティ
2014年-マイメロディ
2015年-ポムポムプリン
2016年-ポムポムプリン
2017年-中間発表

■サンリオ株価 高安
2006年  2540 (11) 1213(6)
2007年  1859 (2)   915(11)
2008年  1333 (9)   652(1)
2009年   945 (2)   673(1)
2010年  2154 (11)  695(2)
2011年  4195 (1)  1882(1)
2012年  4050 (1)  2301(8)
2013年  6270 (4)  2766(1)
2014年  4675 (1)  2742(5)
2015年  4220 (8)  2850(12)
2016年  2842 (2)  1820(6)
2017年

 2010年から再動意したサンリオ株は2013年4月に6270円まで買われている。この年のキャラクター大賞はハローキティである。2014年以降、ハローキティが首位を譲り渡して以降、サンリオの業績は伸び悩み株価も2015年高値の3分の1である2000円前後の動きが続いている。これはサンリオがハローキティに代わる新しいキャラクターを育てようとしたものの市場はハローキティに代わるキャラクターを望まなかったといえる。

 おそらく投資家心理とハローキティのファン心理が重なり合っていると思われる。ハローキティが首位だとサンリオの業績好調になるとの安心感から株価も好調。ハローキティが伸び悩むとサンリオの業績不安、売上の伸び悩みを連想し株価もじり安状態となってしまうようだ。サンリオの株価復活の条件として考えられるのはハローキティの首位。投資家もしくはハローキティファンの安心感からの売り上げ増。という図式が考えられる。サンリオは、まだハローキティに次ぐ絶対的キャラクター不在である。それだけに本年度のキャラクター大賞で初回8位スタートのハローキティが大きくジャンプして4位(5月25日現在)となっているだけに逆転1位となると売上が大きく伸び株価も今時点の2000円台から大きくジャンプするのでないかと考えられ、今の時価は買いゾーンと思われる。

■サンリオキャラクター大賞中間順位
1 シナモロール
2 ポムポムプリン
3 マイメロディ
4 ハローキティ
5 ぐでたま
6 リトルツインスターズ
7 YOSHIKITTY
8 KIRINちゃん
9 SHOW BY ROCK!!
10 クロミ

 最近の株価は2013年高値の3分の1水準のため個人投資家が増加し、外国人投資家が減少している。これは安定した高配当金(40円の年2回)と株主優待取りであることは間違いない。

        個人 外国人 金融機関(数字はパーセント)
2015年3月期  19.65  16.73  29.78
2015年3月期  22.95  15.04  27.26
2016年3月期  23.96  10.75  29.14
2017年3月期  27.94   7.69  30.01

■サンリオピューロランドの売上高と入場者数
         売上高(百万円) 入場者数(万人)
2016年3月期  5697  105.3
2017年3月期  6311  120.5

■サンリオ株主優待(自社製品と優待券)
100株-3枚
500株-6枚
1000株-8枚
4000株-10枚
10000株-12枚
50000株-15枚
100000株-30枚
(ピューロランド・ハーモニーランド共通券)

 ピューロランドの.売上高にも注目したい。売上高、入場者数とも前年実績よりかなりの伸びとなっている。今、ピューロランドは魅力のあるテーマパークとなりつつあり業績回復の起爆剤にもなりそうだ。
 欧米両地域での商品ライセンス収入が減収、中国をはじめとするアジア地域の収益でカバーできず減益となっているものの、ピューロランドの好調と商品ライセンス収入の立て直しができるとハローキティの首位返り咲きと株価再々動意が期待できそうです。
 ハローキティ以外のキャラクターも頑張ってるがやはりサンリオファンはハローキティの復活を夢見ているのでしょうか?それがピューロランドの入場者の増加と思われる。(ファイナンシャルプランナー・テクニカルアナリスト、田尾浩己)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る