【株式評論家の視点】東京応化工業は今12月期第1四半期業績順調、25日移動平均線がサポートへ

株式評論家の視点

 東京応化工業<4186>(東1)は、1940年の設立以来、「技術のたゆまざる研鑽」「製品の高度化」「社会への貢献」「自由闊達」の経営理念のもと、半導体・液晶ディスプレイ等のフォトリソグラフィプロセスで用いられる感光性樹脂(フォトレジスト)・高純度化学薬品を中心とした製造材料、半導体用・液晶パネル用製造装置などの各種プロセス機器、その他無機・有機化学薬品等の製造・販売している。

 昨年5月に明らかにした「中期計画2018」2016年度~18年度(2017年3月期~19年3月期)では、前回の中期計画に引き続き 『既存領域の深耕・拡大を図ると共に、新規領域の早期立ち上げを目指す。』としている。「2020年度のありたい姿」 として、営業利益200億円目標の達成するうえで、鍵となる重要な3年間であると認識し、2018年度の売上高1200億円以上、営業利益150億円以上、経常利益150億円以上、純利益100億円以上、ROE7%以上の数値目標達成に向け、事業ポートフォリオの変革として主力製品の新陳代謝、新規事業で新規材料の創出装置事業の収益回復、TSV技術の多用途展開等を全社戦略として取り組んでいる。

 今2017年12月期第1四半期業績実績は、売上高242億2700万円(前年同期比22.2%増)、営業利益28億2100万円(同21.4%増)、経常利益29億4500万円(同44.2%増)、純利益18億3500万円(同37.9%増)に着地。材料事業では、スマートフォンやデータサーバー市場の好調な需要に支えられて、売上は前年同期を大幅に上回ったほか、装置事業では、装置部品等の販売が進んだことから、売上は前年同期を上回った。また、好調なデータサーバーな どの需要に応えるため、ユーザーにおける生産能力の増強投資が進んだことにより、受注動向も上向いている。 営業利益は第2四半期計画に対する進捗率が56.4%と順調に推移している。

 今2017年12月期業績予想は、売上高888億円、営業利益84億円、経常利益86億円、純利益49億円を見込む。年間配当予想は、64円(第2四半期末32円、期末32円)継続を予定している。17年12月期(9か月決算)が決算期変更のため、前年同期との比較はない。

 株価は、1月26日につけた年初来高値4180円から4月17日の年初来安値3225円まで調整を挟んで6月5日高値4015円と上昇。その後、3800円を軸としたモミ合っていたが、上放れし9月20日高値4160円と買い直され、上げ一服となっている。足元の業績は順調で、逆日歩のつく信用取組倍率0.34倍の売り長の好需給となっており、25日移動平均線に接近する場面があれば、好買い場となりそうだ。(株式評論家・信濃川)

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